和歌山県海南市下津町にある天台宗の名刹、長保寺(ちょうほうじ)。紀州徳川家の菩提寺で、5代・吉宗、13代・慶福を除く藩主の霊廟もあります。本堂、多宝塔、大門はいずれも国宝。本堂の右手前、境内の東南に南面して建つ多宝塔は、正平12年(1357年)築。均衡の取れた優美な姿で知られています。
現存する多宝塔中のなかでも傑作のひとつ
多宝塔は、桁行三間、梁間三間、本瓦葺きの建物で、下重と上重の釣り合いが良く、その均整が美しさの秘密にもなっています。
心柱に「正平十二年丁酉十月三日」の墨書があるので、建立年も明らかに。
それが決め手(建築年が明らか)で、国宝に指定されています。
国宝に指定される本堂は、和様を基調に、禅宗様(鎌倉時代に日本にもたらされた、中国の建築様式を模した寺院建築)を取り入れた折衷様式であるのに対し、多宝塔は外廻りは純和様で統一されています。
ただし、内部の須弥壇(しゅみだん)は禅宗様に。
ちなみに、本堂、塔、大門が揃って国宝の寺は法隆寺と長保寺だけです。
長保寺・国宝 多宝塔 | |
名称 | 長保寺・国宝 多宝塔/ちょうほうじ・こくほう たほうとう |
所在地 | 和歌山県海南市下津町上689 |
関連HP | 長保寺公式ホームページ |
ドライブで | 阪和自動車道和歌山ICから約23km |
駐車場 | 大門西駐車場(15台/無料) |
問い合わせ | 長保寺 TEL:073-492-1030/FAX:073-492-1030 |
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