山梨県富士河口湖町、河口湖東岸に突き出した絶景の岬が、産屋ヶ崎(うぶやがさき)。波が静かな晴天時には、湖面に逆さ富士が映り込むポイントとして、人気が高い場所です。裾野を長く引く富士山と湖という眺めは、写真家の岡田紅陽(おかだこうよう)も好んだアングルで、カメラマンに人気のスポットになっています。
写真家・岡田紅陽の愛した富士山を眺めよう!
春は桜と富士山、秋は紅葉と赤富士の絶景を得ることができるのが人気の秘密。
風のない日なら逆さ富士も期待できます。
石段を上った上には富士山信仰の木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀った小さな祠(産屋ヶ崎神社)もありますが、燃え盛る火の中この岬で、火照命、火須勢里命、火遠里命の三神を生んだという伝説があり、地名の産屋(うぶや)はその伝説に由来しています。
芭蕉は「雲霧の暫時百景を盡しけり」(「雲ぎりのしばし百景つくしけり」)と詠んでいて、松尾芭蕉句碑も立っています。
芭蕉と富士山というのはあまり知られていませんが、『野ざらし紀行』の終盤、貞享2年、尾張から江戸への帰路、産屋ヶ崎を訪れた際、詠んだと推測されています。
残念ながら芭蕉が見た富士山は霧の中だったのです。
江戸時代にすでに産屋ヶ崎が文人たちに有名だったことがわかります。
「富士こそわがいのち」という写真家・岡田紅陽が富士山と出会うのは、 早稲田大学予科へ入学した大正3年のこと。
「富士山と私のめぐり会いは、大正三年の春であった。彼女を写し、あしかけ五十数年、それ以来富士に魅了され、今も尚限りない情愛を注ぎこむ。はじめて私が彼女に接したころはとかくその形の美しさのみにこだわっていたが、富士にはいのちがあった。彼女には血も通い、息吹も躍動していた。私は彼女の気持ちの内容をつかむに悩んだ。いま私の富士ほ生きている。そして愛の鼓動が脈打っているー紅陽」(顕彰碑完成記念誌『燦紅陽』)。
その顕彰碑も産屋ヶ崎に立っています。
名称 | 河口湖・産屋ヶ崎/かわぐち・こうぶやがさき |
所在地 | 山梨県南都留郡富士河口湖町浅川 |
関連HP | 富士河口湖町観光情報サイト |
電車・バスで | 富士急行線河口湖駅から富士急行バス甲府駅行きで7分、産屋ヶ崎下車 |
ドライブで | 中央自動車道河口湖ICから約14km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 富士河口湖町観光課 TEL:0555-72-3168 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag