天目山栖雲寺

天目山栖雲寺

日川渓谷(ひかわけいこく)の上流、山梨県甲州市大和町木賊(とくさ)にある、臨済宗建長寺派の名刹が、天目山栖雲寺(てんもくさんせいうんじ) 。創建は南北朝時代の貞和4年・正平3年(1348年)。甲斐国守護・武田信満が自害した菩提寺で、天目山の麓・田野は武田氏終焉の地になっています。

巨石の庭園は山梨県の名勝という武田家ゆかりの名刹

中国・元の杭州天目山で修業し、嘉暦元年(1326年)に帰国した業海本浄(ごうかいほんじょう)が、諸国行脚の末に、木賊山を本場の天目山に見立てて禅寺(護国禅寺)を開山したのが始まり。
室町時代には甲斐国守護・武田信満(たけだのぶみつ)の庇護を受けて繁栄しています。

境内には天目山で自害した武田信満の墓所とされる宝篋印塔(ほうきょういんとう)や家臣達の五輪塔が残されています。
甲斐武田氏の菩提寺としても機能していますが、武田勝頼が再起をかけて天目山を目指しますが、いち早く栖雲寺は織田軍の焼き討ちで焼失し、麓の田野が武田勝頼最期の地(武田家滅亡の地)になったのです。
そんな由緒から天目山栖雲寺には、武田信玄奉納と伝わる軍配、軍旗など、武田家ゆかりの寺宝も多数(宝物館の拝観は事前予約が必要)。

木造普応国師坐像は14世紀の作とされ、国指定の重要文化財。
裏山にある巨石の庭園は山梨県指定の名勝で、坐禅石のほか、地蔵菩薩と文殊菩薩の磨崖仏があり、秋の紅葉も見事。

禅堂も本堂もない石庭で坐禅(岩坐禅)という、栖雲寺らしい坐禅体験も可能。
毎月最終日曜に定例の「幻住坐禅会」が行なわれています(天候によって岩下、樹下、摩利支天堂、本堂に変更)。

江戸時代中期の国学者で尾張藩士・天野信景が元禄10年(1697年)頃に起筆した随筆集『塩尻』に蕎麦切り発祥の地は甲州であると記され、地元ではそれが天目山とされることから境内には「蕎麦切発祥の地」碑が立っています。
ただし宝永3年(1706年)刊の『風俗文選』(ふうぞくもんぜん)の「蕎麦切の頌」には、蕎麦切り発祥の地は、中山道・本山宿という説が紹介され、定かでありません。

天目山栖雲寺
国の重要文化財「木造普応国師坐像」
天目山栖雲寺
「蕎麦切発祥の地」碑
天目山栖雲寺
名称 天目山栖雲寺/てんもくざんせいうんじ
所在地 山梨県甲州市大和町木賊120
関連HP 天目山栖雲寺公式ホームページ
電車・バスで JR甲斐大和駅から甲州市営バスで15分、終点下車、すぐ
ドライブで 中央自動車道勝沼ICから約12km
駐車場 7台/無料
問い合わせ 天目山栖雲寺 TEL:0553-48-2797
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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