山梨県南アルプス市芦安(あしやす)地区から、夜叉神峠(やしゃじんとうげ)の下を夜叉神トンネルを抜け、野呂川の流れる白鳳渓谷・広河原に達し、さらに仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳鞍部の北沢峠までの林道が、県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)。通年マイカー規制が実施されています。
夜叉神ゲート〜広河原ゲート〜北沢峠を結ぶ山岳道路
山梨県側が山梨県営林道南アルプス線、長野県側が伊那市営林道南アルプス線で、昭和37年に芦安〜広河原に開通した野呂川林道が前身。
昭和39年に南アルプスが国立公園が誕生し、開発から保護へと政策の転換が図られ、野呂川上流、南アルプスの最深部への道路開発に対して、自然保護の観点から反対運動も生まれました。
道路幅員の縮小、一部路線の変更、土砂崩壊の防止対策などの実施を条件に建設が進み、昭和54年11月12日に全線開通。
総称して南アルプススーパー林道と呼ばれていましたが、現在では山梨県営林道南アルプス線、伊那市営林道南アルプス線が正式名です。
山梨県営林道南アルプス線は、旧芦安村の起点(夜叉神ゲート)〜広河原ゲートが19.3km、広河原ゲート〜北沢峠が10kmで、開通期間は例年6月下旬〜11月上旬。
全線にわたってマイカー規制が実施されています(冬季閉鎖中の徒歩による通行は不可)。
マイカーは夜叉神ゲートの手前、夜叉神峠登山口駐車場(夜叉神峠、鳳凰三山登山口)まで入ることができますが、広河原への市営バス、乗り合いタクシーが南アルプス市営芦安駐車場で満車となって発車することも多く、夜叉神峠登山口駐車場で乗車できないこともあるので注意が必要。
甲府駅〜広河原には、山梨交通が路線バス(南アルプス登山バス)を運転。
車窓から糸魚川−静岡構造線を観察
山梨県営林道南アルプス線の夜叉神トンネルを抜けてから、広河原に下る間、車窓から崩れ落ちる岩壁をよく観察すると逆断層になっている部分が多いことに気がつきます。
それはこの場所に糸魚川-静岡構造線(いといがわしずおかこうぞうせん)が通っているから。
正確には、夜叉神トンネルと弁天トンネルの間に通過しているとされ、両トンネルからも、破砕帯があるのでしょうか、多くの水が湧き出しています。
白鳳渓谷とは白根三山と鳳凰三山(ほうおうさんざん)の間に横たわる巨大な渓谷ですが、実はここを流れる早川が糸魚川-静岡構造線沿いというわけなのです。
破砕帯といわれるような脆い岩肌が露呈し、台風などの後に山梨県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)が通行止めになることも多いのは、そのため。
山梨県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道) | |
名称 | 山梨県営林道南アルプス線(南アルプススーパー林道)/やまなしけんえいりんどうみなみあるぷすせん(みなみあるぷすすすーぱーりんどう) |
所在地 | 山梨県南アルプス市芦安芦倉 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag