面河渓

面河渓

愛媛県上浮穴郡久万高原町、石鎚山の南斜面が大きく崩れた石鎚カルデラに、面河川(仁淀川)が深いV字谷を刻んだ9.6kmの渓谷が、面河渓(おもごけい)。周囲を1500m~2000m近い四国山地に囲まれ、滝、淵、早瀬が連続。「もみじライン」と呼ばれる愛媛県道12号(西条久万線)が通じています。

四国を代表する美しい渓谷美を誇る

1400万年前、石鎚山の周辺で始まった火山活動で、成層火山である原始・石鎚山が誕生します。
その後、火山帯の内部が空洞化したことで、陥没し、凹状のカルデラが生まれます。
カルデラも火砕流が堆積して埋められ、そして中央構造線の活動で隆起が進みます。
そんなダイナミックな地形の石鎚山を、気の遠くなるような歳月をかけて浸食して誕生したのが、面河渓です。

面河渓に多い白い花崗岩(かこうがん)は1400万年前に貫入したマグマが固まったものだと推測でき、古い火山の中心を示しているのです。

渓谷入口には、70mもの絶壁がそそり立っていますが、これが文字通り「関門」という場所。
「面河山岳博物館」のある関門駐車場から、通天橋まで続く600mの遊歩道が関門遊歩道で、川沿いに続く旧道(遊歩道)を進むと、安山岩の板状節理が発達した80mもの岩壁が左右に連なっています。

コバルトブルーに川の水が輝く五色河原(五色橋駐車場)から、上流部の虎ヶ滝までの片道45分の本流ルートは、人気のルート。
関門遊歩道+本流ルートなら、面河山岳博物館→関門遊歩道→五色橋→蓬莱渓と歩いて片道1.5km、のんびり探勝しても1時間30分ほどで歩くことができます。

リピーターには、鉄砲石川ルートがおすすめで、隧道あり、滝あり、奇岩ありの変化に富んだコースとなっています。
赤石河原まで往復すると2時間30分ほどかかりますが、兜岩鎧岩までなら40分で往復可能。

五色河原、高さ100m、幅200mもの巨大な一枚岩・亀腹、カエデが色づく紅葉河原など、樹林と奇岩、清流のコントラストに心洗われるでしょう。
夏場はブユ(吸血昆虫)が多いので、虫除けスプレーの持参を。
携帯電話は通じない場所が多いので、行動は慎重に(子供と離れて歩くことは厳禁)。

紅葉の見頃は10月下旬〜11月上旬です。

ちなみに面河渓の遊歩道は、石鎚山は国定公園に指定された昭和30年に完成した関門〜五色河原の林道開発工事で完成した車道がルーツ。
五色橋から鉄砲石川へと抜ける林道も昭和36年に完成していますが、現在ではその林道が遊歩道に転用されています。

面河渓
名称 面河渓/おもごけい
所在地 愛媛県上浮穴郡久万高原町若山
関連HP 久万高原町観光協会公式ホームページ
電車・バスで 伊予鉄道松山市駅から伊予鉄バス久万方面行きで40分、久万下車、久万バス面河方面行きに乗り換えて50分、関門下車、渓谷まで徒歩30分
ドライブで 松山自動車道松山ICから約59kmで関門
駐車場 50台/無料
問い合わせ 久万高原町観光協会 TEL:0892-21-1192
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
石鎚スカイライン

石鎚スカイライン

愛媛県上浮穴郡久万高原町、四国の最高峰・石鎚山の南側山腹を走る愛媛県道12号(西条久万線)が、石鎚スカイライン。昭和45年、関門(標高650m)から土小屋(つちごや/標高1500m)まで、延長18.1kmの有料道路「石鎚スカイライン」が5年

 

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