愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・本丸にある櫓(やぐら)のひとつが、東南隅櫓。藩政時代に本丸に3ヶ所あった隅櫓のうち、北東隅櫓の丑寅隅櫓(うしとらすみやぐら)は名古屋空襲で焼失していますが、東南隅櫓、西南隅櫓は往時のままに現存し、国の重要文化財に指定。
二之丸側の上層には軒唐破風をのせた優雅な眺め
名古屋城・本丸の東南隅に位置し、西南隅櫓と同様に、慶長17年(1612年)頃に建造されたと推測されるのが東南隅櫓。
東南に位置するため、辰巳隅櫓(たつみすみやぐら/辰巳=東南)とも呼ばれています。
西南隅櫓と対になった外観で、外観だと2層、内部は3階建てという珍しい構造。
往時には西側と北側に多門櫓(たもんやぐら)が連続し、防備を固めていました。
2階の東面と南面には千鳥破風(ちどりはふ=屋根の斜面に設けた小さな三角形の破風)を装飾し、一見すると優美な感じですが、堀から侵入する敵軍を攻撃するための石落しを設けるという実戦的な構造も。
さらに、東南隅櫓には3階東側の屋根の軒に、姫路城、宇和島城などの天守最上層にも用いられる軒唐破風(のきからはふ)が設けられ、西南隅櫓にない格式の高さをみせています。
庭園のある二之丸側からの眺めを意識したものなのかもしれません。
鬼瓦などには、江戸時代のままに徳川家の家紋である葵紋が用いられています。
屋根にのる鯱(しゃち)は、明治43年に江戸城の青銅鯱が取り付けられたもの。
昭和27年の解体修理で、尾張藩が管理した木曽の木材が使われ、宝永4年(1707年)に修理されていることが判明しています。
通常内部は非公開で、特別公開時にのみ公開。
名古屋城・東南隅櫓 | |
名称 | 名古屋城・東南隅櫓/なごやじょう・とうなんすみやぐら |
所在地 | 愛知県名古屋市中区本丸1-1 |
関連HP | 名古屋城公式ホームページ |
電車・バスで | 名古屋市営地下鉄名古屋城駅から徒歩5分 |
駐車場 | 正門前駐車場(319台/有料)、二之丸東駐車場(202台/有料) |
問い合わせ | 名古屋城総合事務所 TEL:052-231-1700 |
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