名古屋城・御殿椿

名古屋城・御殿椿

愛知県名古屋市中区、尾張藩の藩庁となった名古屋城。本丸御殿の北、天守の東にある不明門の横に植栽されるのが、御殿椿。八重大輪の椿で、もともとは、本丸御殿南庭にあった尾張藩秘蔵の銘椿の「御殿椿」で、接ぎ木されて育った椿が今も花を咲かせています。

尾張藩が門外不出にした貴重な椿が、「御殿椿」

原木は昭和20年の名古屋大空襲で、天守、本丸御殿などとともに焼失したかに思われましたが、焼けた幹の下から再び新芽が伸びて復活。

昭和30年頃に原木から接ぎ木育成した復活「御殿椿」を、不明門横に植栽したもので、例年3月中旬〜4月上旬に白八重の大輪の花を咲かせています。

茶の湯の隆盛とともに庭木としての椿の人気が高まり、豊臣秀吉も千利休同様に茶花に椿を好んで用いて伏見城にも椿が植栽されています。

江戸城では、2代将軍・徳川秀忠が、諸大名に各地の名椿を献上させ、吹上御殿に椿畠をつくり、品種改良して名花を生み出したことで、椿栽培のブームを生んでいます。
椿の愛好は文化人の嗜み(たしなみ)となり、交配や新種の誕生に力が注がれたのです。

名古屋城の本丸御殿の椿もこうした2代将軍・徳川秀忠の椿愛好が背景にあって、尾張藩秘蔵の銘椿御殿椿」が生み出され、城内の茶会にも生けられたと推測されるのです。

ちなみに、名古屋城本丸内に植えられていた門外不出の御殿椿が、何者かによってこっそり持ち出されて、「大城冠」(だいじょうかん)の名で流通するようなったのだとか。

名古屋城・御殿椿
名称 名古屋城・御殿椿/なごやじょう・ごてんつばき
所在地 愛知県名古屋市中区本丸1-1
関連HP 名古屋城公式ホームページ
電車・バスで 名古屋市営地下鉄名古屋城駅から徒歩5分
駐車場 正門前駐車場(319台/有料)、二之丸東駐車場(202台/有料)
問い合わせ 名古屋城総合事務所 TEL:052-231-1700
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

名古屋城

1612(慶長17)年築城の名古屋城は、明治時代まで約250年間、徳川御三家の筆頭尾張家の居城。現在、名古屋城の城跡は名城公園として整備されています。金の鯱(しゃちほこ)で知られる大天守閣は戦災で焼失し、昭和34年に再建されたもの。江戸城、

名古屋城・清正石

名古屋城・清正石

愛知県名古屋市中区、名古屋城の本丸東二之門を入った正面にある八畳敷という巨石が、清正石。天下普請(てんかぶしん)で名古屋城を築城する際、築城の名手である加藤清正が運んだ石と伝えられることから清正石のながあります。ただしこの場所の石垣を担当し

名古屋城 二之丸庭園

名古屋城の二之丸庭園は、尾張藩の初代藩主、徳川義直が築いた庭園で、元和年間(1615年〜1623年)に二之丸御殿の造営にともない御殿の北側に聖堂(金声玉振閣)を中心として作庭された大名庭園です。御三家筆頭の尾張藩の大名庭園は、江戸の藩邸の庭

名古屋城・西南隅櫓

名古屋城・西南隅櫓

愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・本丸にある櫓(やぐら)のひとつが、西南隅櫓。藩政時代に3ヶ所あった隅櫓のうち、北東隅櫓の丑寅隅櫓(うしとらすみやぐら/丑寅=北東)は名古屋空襲で焼失していますが、西南隅櫓、東南隅櫓は往時のま

名古屋城・東南隅櫓

名古屋城・東南隅櫓

愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・本丸にある櫓(やぐら)のひとつが、東南隅櫓。藩政時代に本丸に3ヶ所あった隅櫓のうち、北東隅櫓の丑寅隅櫓(うしとらすみやぐら)は名古屋空襲で焼失していますが、東南隅櫓、西南隅櫓は往時のままに現

名古屋城・西北隅櫓

名古屋城・西北隅櫓

愛知県名古屋市中区の特別史跡に指定される名古屋城・御深井丸(おふけまる)のにある櫓(やぐら)のひとつが、北西隅櫓。名古屋城の本丸を守る4つの隅櫓のひとつで、元和5年(1619年)頃の築で、国の重要文化財に指定。外堀の北、堀川側の公道がベスト

名古屋城・表二之門

名古屋城・本丸表二之門

愛知県名古屋市中区、国の特別史跡で、日本三名城にも数えられる名古屋城の本丸大手、南正門となるのが本丸表二之門。貫(ぬき)部分に元和5年(1619年)の墨書があり、清州城・小天守の移築との伝承がある西北隅櫓完成と同じ年ということに。戦災を免れ

名古屋城・東一之門跡

名古屋城・本丸東一之門跡

愛知県名古屋市中区、国の特別史跡、そして日本三名城にも数えられる名古屋城。本丸の東側、搦手(からめて=裏口)にあたるの門の跡が、本丸東一之門跡。外側の東二之門とともに枡形門を形成していていましたが、昭和20年の空襲で、天守、本丸御殿などとと

名古屋城・二之丸大手二之門

名古屋城・二之丸大手二之門

愛知県名古屋市中区、国の特別史跡に指定される御三家・筆頭、尾張藩の藩庁だったのが名古屋城。元和3年(1617年)に完成した藩主の居館で、尾張藩の藩庁となった二之丸御殿が建つ、二之丸の大手(玄関口)を守備する外門が二之丸大手二之門(西鉄御門)

名古屋城・旧二之丸東二之門

名古屋城・旧二之丸東二之門

愛知県名古屋市中区、国の特別史跡に指定される名古屋城。本丸の東に位置する搦手(からめて=裏門)にあたる枡形門が、本丸東一之門(内門)・東二之門(外門)。本丸東二之門部分に移築されているのが旧二之丸東二之門で、もともとは二之丸の東面中央に設け

名古屋城・不明門

名古屋城・不明門

愛知県名古屋市中区、国の特別史跡に指定される名古屋城。本丸の天守横、天守台脇に設置されたエレベータの横から北側に抜ける場所に位置する門が、不明門(ふめいのもん)。「常に鎖して開かず」から不明門(あけずもん)という意味で、本丸御殿の大奥へ通じ

名古屋城・清正公石曳きの像

名古屋城・清正公石曳きの像

愛知県名古屋市中区、名古屋城の東南隅櫓を眺める梅園近くに立つのが、清正公石曳きの像(きよまさこういしひきのぞう)。加藤清正は、関ヶ原の合戦後、徳川家康に接近し、慶長15年(1610年)の名古屋城の天下普請(てんかぶしん)に協力、石垣工事で大

名古屋城・天守礎石

名古屋城・天守礎石

愛知県名古屋市中区、名古屋城の本丸・天守横の不明門(ふめいもん)から北に歩いた、御深井丸(おふけまる)エリアにあるのが、天守礎石。昭和20年5月14日の名古屋大空襲で、名古屋城天守は焼失。天守台にあった天守礎石は、昭和34年の天守再建の際に

名古屋城・乃木倉庫

名古屋城・乃木倉庫

愛知県名古屋市中区、名古屋城本丸の北西、御深井丸(おふけまる)にある明治初期に名古屋城に駐留した日本陸軍の弾薬庫が、乃木倉庫(のぎそうこ)。歩兵第六連隊弾薬庫だとされるレンガ造りの倉庫で、国の登録有形文化財に指定されています。名古屋城本丸御

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ