蘭庭院栄螺堂

青森県弘前市の寺町(禅林街)にある蘭庭院(らんていいん)は、弘前藩2代藩主。津軽信枚が弘前城西南の抑えとして寺院を集めた禅林街33ヶ寺の一つで曹洞宗の寺。蘭庭院は院号で開基の津軽為信姉の戒名である蘭庭薫香大禅尼から付けられた名前。禅林街の上寺通り入口には、日本最北ともいえる栄螺堂(さざえ堂)が建っています。

六角堂とも呼ばれますが八角形で内部に螺旋階段が

蘭庭院の創建年代は定かでありませんが、建立当初は、兼平村(現・弘前市兼平)にあり、後に弘前城下に移転しています。

栄螺堂(さざえ堂)は、1839(天保10)年頃、遠く離れた江戸での栄螺堂のブームを背景に、弘前東長町の豪商・中田嘉兵衛の寄進により、海難死亡者、天明・天保の大飢饉での餓死者の無縁仏を弔うために建立されたもの。
『津軽古今偉業記』(明治19年刊)には、大工は秋田屋安五郎なる町大工と記されています。

創建当初は長勝寺が管理していましたが、蘭庭院22世・拙雄和尚が毎朝読経を行ない線香を手向けたのを機に蘭庭院が管理することになったのです。

六角堂とも呼ばれますが八角形で宝形造(ほうぎょうづくり)、2層になっています。
かつては柿葺き(こけらぶき)でしたが、現在はトタン葺きとなっています。

入口を入ると聖観音菩薩が安置され、螺旋(らせん)階段が右回りに続いています。
高さが足りないのか、完璧な右遶三匝(うにようさんそう=右回りに3回回って一巡)する三匝堂(さんそうどう)のスタイルではなく、右回り廻廊と直進階段を併用して昇降するもの。

拝観にあたっては、栄螺堂を管理する蘭庭院に申し出て、鍵を借りる仕組み。

蘭庭院栄螺堂
名称 蘭庭院栄螺堂/らんていいんさざえどう
所在地 青森県弘前市西茂森2丁目
関連HP 弘前市公式ホームページ
電車・バスで JR弘前駅から弘南バス四中校行きで20分、茂森町長勝寺入口下車、徒歩10分
ドライブで 東北自動車道大鰐弘前ICから約12km
駐車場 長勝寺駐車場(15台/無料)を利用
問い合わせ 蘭庭院 TEL:0172-32-6556/弘前市文化財課 TEL:0172-82-1642
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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