福岡県添田町と大分県中津市にまたがる標高1199.5mの霊山が英彦山(ひこさん)。江戸時代以前の神仏習合時代には修験道で栄え、出羽三山(山形県)や吉野山・大峰山(奈良県・和歌山県)と並ぶ日本三大修験道場のひとつ。北岳、中岳、南岳の3つの峰から成り、最高点は南岳。中岳頂上には英彦山神宮上津宮が鎮座しています。
西国修験道の拠点だった霊山に登拝
修験道(しゅげんどう)は、森羅万象に神が宿るという古神道に、険しい山へ籠もり、厳しい修行を行なうことで、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰と、さらには飛鳥時代に伝来した仏教が融合し、役小角(えんのおづぬ)が吉野山で開いたとされています。
英彦山の信仰の中心は、英彦山大権現霊仙寺で、江戸時代、一山挙げての祭礼『松会』には、九州全域からの参拝者7~8万人と記録されています。
明治の神仏分離、廃仏毀釈で、英彦山大権現霊仙寺は、英彦山神社に。
福岡県内の山としては釈迦岳・本釈迦(1229.5m)に次いで標高が高いため、中岳から北岳の山腹には、九州では珍しいブナの原生林が広がっています。
北岳の望雲台は、深く切り落ちた大岩壁の頂で、修験道の行場だった場所。
英彦山の山頂へのルートはいくつかあり、鎖やロープが下がる崖も多く、ここが山伏の修験場であったことが納得できます。
登山者が最も多い表参道コース(正面登山口・銅の鳥居~英彦山神宮奉幣殿~英彦山神宮中宮~中岳)は所要1時間30分ほど。
正面登山口・銅の鳥居から奉幣殿までは長い石段が連続(銅鳥居から英彦山神宮奉幣殿までは英彦山スロープカーの利用も可能)。
別所駐車場を起点とすれば、5分ほど短縮できます。
国道500号沿いの「英彦山温泉しゃくなげ荘」では日帰り入浴や食事が可能なので、登山の汗を流すのに絶好です。
12世紀から西国修験道の一大拠点として栄えた英彦山、往時には山内に3800の僧坊、そして四十九窟(行場)があったとされていますが、明治の神仏分離、修験禁止令により修験道が廃止され、英彦山神宮となって霊山と修験の歴史を今に伝えています。
英彦山 | |
名称 | 英彦山/ひこさん |
所在地 | 福岡県田川郡添田町英彦山 |
関連HP | 添田町公式ホームページ |
電車・バスで | JR彦山駅から添田町バス英彦山行き20分、英彦山神宮下下車。山頂まで徒歩2時間30分 |
ドライブで | 大分自動車道杷木ICから約31kmで別所駐車場。山頂まで徒歩2時間 |
駐車場 | 別所駐車場(100台/無料) |
問い合わせ | 添田町まちづくり課文化財係 TEL:0947-82-5964 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag