善光寺『御印文頂戴』

善男善女が極楽往生(阿弥陀仏の浄土とされている極楽浄土への往生)を願って参詣する善光寺ですが、毎年1月7日~15日の9:00~16:00のみ執り行なわれる『御印文頂戴』(ごいんもんちょうだい)こそが、極楽往生が保証される手形のようなもの。これを目的に善光寺に参詣するのもおすすめなのです。

「竜宮城随一の宝物」でできた宝印とは!?

御印文とは、善光寺のご本尊と同じ、閻浮檀金(えんぶだごん)で作られていると言われる善光寺の宝印。善光寺如来のご分身といわれる三判の宝印「御印文」を僧侶が参詣者の頭に押し当てるありがたい儀式です。

閻浮檀金の「閻浮」(えんぶ)は仏教で須弥山(しゅみせん=世界の中心にそびえる山)のまわりにある四大陸の一つで、南にある三角形の大陸、閻浮提(えんぶだい)のこと。「檀」は川。つまり閻浮檀金は、閻浮提の大木の下にある金塊のことや、閻浮樹の森を流れる川の底からとれるという砂金という意味です。「竜宮城随一の宝物」とのことですが、『善光寺縁起』によれば、尊い善光寺の御本尊は、この閻浮檀金でできています。552(欽明天皇13)年、閻浮檀金でできた阿弥陀如来の尊像は百済を経て日本に渡り、本田善光の手によって信濃に安置されたと伝えられています。三国伝来の尊像といわれるのにはそんな歴史的な背景があったのです。

御印文を頂戴すれば極楽往生が約束される

直径は10cmほどの善光寺の宝印は、牛王宝印(ごおうほういん)、牛王噞印(ごおうけんいん)、往生決定(おうじょうけつじょう)の三判があり、この御印文を額に押してもらうことで、極楽往生(来世の極楽浄土)が保証されるというわけなのです。

善光寺の御開帳期間以外に、この御印文を額に押してもらうことができるのが、唯一、『御印文頂戴』の期間なのです。
「地元の人でもなかなか御印文を頂戴する機会はありません」(地元長野の記者の話)。
御印文を頂戴しようと本堂前に長い列ができるのは、そんなワケがあるのです。

内陣参拝(本堂の下の暗闇を巡る「お戒壇めぐり」=瑠璃壇床下の真っ暗な回廊を巡り、中程に懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際にお迎えに来ていただけるという約束をいただく道場)とは列が異なるので、本堂参拝に際してはご注意を。

善光寺『御印文頂戴』
開催日時1月7日~1月15日9:00~16:00
所在地長野県長野市長野元善町491-イ
関連HP善光寺公式ホームページ
電車・バスでJR長野駅から路線バスで15分、善光寺大門下車
ドライブで上越自動車道長野ICから約12km
駐車場あり/有料
問い合わせ善光寺 TEL:026-234-3591
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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