取材班が「ここはすごいや!」とうなった氷見の宿、魚恵

グルメライター板倉あつしが「ここはすごいや!」とうなったのが、富山県氷見市にある­「小さな隠れ味宿魚恵」。
ニッポン旅マガジンの取材スタッフも全国の港町を旅していますが、これほど「!!」という宿もめったにありません。

繊細VS豪快、京料理VS漁師料理

その親子2代の料理人が切磋­琢磨する料理は秀逸!
ご主人・浜出勝之さんは築地で修業。2代目の裕貴さんは老舗京料理店「たん熊」で修業­したというすご技料理人なのです。

魚恵の玄関
魚恵の玄関。民宿ですよといわれると、「えつ?」と驚いてしまうだろう

で、実は、ちょっぴり親子で意見の相違が・・・。
息子さんが修行した老舗京料理店「たん熊」は、味にうるさい大阪・京都のグルメをうならせる名店。「たん熊」で夕食を頼めばまあ、ご予算は1人2万円は最低でも見ておかねばなりません。
だから料理も風雅。盛りつけも「さすが京料理!」という感じに上品なのです。
これが2代目の裕貴さんの姿勢。

対するご主人の勝之さんは、
「親父は漁師でした。それで、旨い氷見の魚を何とか晴れ舞台に出すことはできないかと考えて、料理人になることを決めたんです」。
そして、漁師町で育ったからこそできる、「いちばん美味しい料理法で、ちょっと豪快にお客さんに出したい」
というのがポリシー。

つまりは、繊細VS豪快、京料理ベースVS漁師料理ベースという親子の料理対決の様相も醸し出しているのです。

料理を味わうお客さんにすれば、両方の味が楽しめるのですから万々歳。

ところがご主人の勝之さんにしてみれば、
「自分の料理がお客さんにどう評価されるのか、ドキドキの毎日。当然、息子には負けたくないし、負けられない」
とライバルは息子! と料理にさらに力こぶを入れています。

「氷見魚、旬を抱えて晴れ舞台」

「氷見魚、旬を抱えて晴れ舞台」
親子2代のモットーがこの言葉。
「氷見で揚がるというだけでブランド魚になるほど、氷見には旨い食材があります。だから素材の持ち味を存分に生かしてあげたい」
だから、氷見の網にかかったものだけを使うというこだわりの食材。
「毎朝魚市場に行き、水揚げされる魚を見極め仕入れるのが日課」(勝之さん)
メニューはすべて旬を生かした創作料理。

たとえば、イワシを昆布と塩で炊き、さらにオリーブオイルで焼いたもの、これはちょっと現代的なアレンジなので、裕貴さんの料理かな?
なんて考えながら食事するのも一興。
「竹の器に盛るときの竹は父が山に取りに行くんですよ」と裕貴さん。
箸休めの塩辛から、食前酒の梅酒、さらにはデザートに至るまで、手間のかかる手作り。
当然、醤油や味噌にもぬかりのないこだわりが・・・。

これだけでも食べる価値がある「氷見うどん」
これだけでも食べる価値がある「氷見うどん」

料理は一品ずつ懐石風に出される。当然、部屋食。
事前に予約しておけば宿泊しないでも料理だけ味わうことも可能で、昼食、夕食とも6600円から。
宿泊しても季節の会席で、2食付1万1000円から。若旦那の創作会席(前田慶次のkabuki御膳)を味わっても2食付で1万1000円〜。
はっきりいって、バカ安です。

「料理だけでも、その倍はするでしょ!」
という取材班3人の共通意見。

これを見逃すあなたは、グルメとはいえませんぞ。

取材協力/小さな隠れ味宿魚恵
「うまさ一番富山のさかなキャンペーン」事務局

小さな隠れ味宿魚恵は廃業しました。

 

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