石狩湾に沿って小樽市銭函(ぜにばこ)から石狩市厚田区聚富(しゅっぷ)の知津狩(しらつかり)あたりまで続く石狩砂丘。温暖な縄文時代には石狩湾はさらに内陸まで入り込み(縄文海進)、紅葉山砂丘という砂丘の痕跡が残されており、縄文時代の遺跡が発掘されています。資料館ではそんな石狩砂丘周辺の歴史と文化を解説しています。
石狩砂丘、紅葉山砂丘の歴史と文化を詳細に解説
1階は、石狩川河口周辺の地域誌ということで、「海・川・河口の自然と歴史」を解説。海、川、河口の3つのテーマに分け、800万年前の石狩の海、5000年前の海岸線、石狩川渡船場、日本初の缶詰工場、チョウザメの剥製などを展示解説しています。
2階は「石狩紅葉山49号遺跡」(石狩市花川)を詳細に解説。石狩紅葉山49号遺跡は、約5000年前の海岸砂丘である紅葉山砂丘の内陸側にある遺跡。5000年前(縄文時代)から300年前(アイヌ時代)にかけての人々の営みの跡が発掘されています。「いしかり砂丘の風資料館」では、4000年前のサケ漁の漁具を中心に、縄文時代のサケ漁と木の文化について紹介しています。
石狩紅葉山49号遺跡の縄文時代中期(約4000年前)の川の跡から、日本最古の鮭を捕獲するための施設が発見されています。周辺からは銛(もり)を含む木製品も発見されており、縄文人の漁労生活の方法が「いしかり砂丘の風資料館」で知ることができるのです。
縄文時代は、現在より2m〜3mほど水位が高かったと推測されており、内陸部には紅葉山砂丘の痕跡が残されています。
建物に隣接して「石狩市指定文化財旧長野商店」が移築保存されており、いしかり砂丘の風資料館の入館券で、旧長野商店の内部が見学可能です。
縄文時代の川の跡からは、幅20mにわたり20cm〜50cm間隔で打ち込まれた杭(くい)の列と、これに付属する「ドウ」とみられる仕掛けが発見されています。「ドウ」は、杭を周囲に打ち込み、その中に太さ2cmほどの枝を使った仕掛けを置いて鮭を捕獲していました。
いしかり砂丘の風資料館 | |
名称 | いしかり砂丘の風資料館/いしかりさきゅうのかぜしりょうかん |
所在地 | 北海道石狩市弁天町30-4 |
関連HP | いしかり砂丘の風資料館公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄東西線・東豊線大通駅から徒歩5分の中央バス札幌ターミナルから北海道中央バス石狩行きで30分、石狩温泉前下車、徒歩2分 |
ドライブで | 札樽自動車道札幌北ICから約19km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | いしかり砂丘の風資料館 TEL:0133-62-3711/FAX:0133-62-3711 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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