越前大野城

1575(天正3)年に越前を平定した織田信長は、翌1576(天正4)年、のちに高山藩主として名を馳せる金森長近を4万石で越前大野に封じました。その金森長近が標高249.1mの亀山に築いたのが越前大野城(亀山城)。天守などは1775(安永4)年に焼失し、現在の天守は昭和43年に完成の復元天守。「続日本100名城」に選定。

夜はライトアップされる大野市のシンボル

コンクリート製の復元天守の館内は博物館としても活用され、城主であった金森氏、土井氏などに関する遺品などが展示されています。
夜間は通年22:00までライトアップされ大野市のシンボル的存在に。
往時の「野面積み」で積まれた石垣は現存しているのでお見逃しなく。

大野市民俗資料館西側、柳廼社(やなぎのやしろ)の脇にある大野城登り口門(搦手門/からめてもん=裏門)から山頂までは徒歩20分ほど。

金森長近は、大野城の東の麓に町割を行ない城下町を築いきました。
それが現在、「北陸の小京都」と呼ばれる越前大野の旧市街。
城下町の七間通りでは、400年以上の歴史をもつ七間朝市が春分の日から大晦日まで連日開催されています。

光明寺(大野市犬山19-17-2)の山門と、真乗寺(大野市中丁7-2)の山門は大野城の城門を移築したものと伝えられているので時間があれば寄り道を。

毎年8月のお盆期間には『おおの城まつり』を開催。
13日の花火大会、最終の15・16日両日は、旧盆とあいまって六間通りでは「越前おおのおどり」が披露され、クライマックスを迎えます。

越前大野城

年に10回前後、「天空の城 越前大野城」が出現!

犬山城址南出丸下で撮影した天空の城

四方を山々に囲まれた大野盆地は雲海が発生することも多く、城下町が雲海に包まれ亀山だけが浮かんで見える日に「天空の城 越前大野城」が出現します。

雲海が発生するのは10月〜4月末頃の前日に雨が降った翌朝、冷え込んで放射冷却が期待できる日。
前線や低気圧が通過直後、移動性の高気圧に覆われる11月頃が最も「天空の城 越前大野城」が出現する時期となっています。
例年、雲海が出現するのは10回前後。

その姿を眺めるために遊歩道も整備。
越前大野城の西、約1kmにある標高324mの犬山城址(戌山城址)に登るのがいちばん。
犬山城址南出丸下がベストビューポイントになっているのです。

鍬掛(くわかけ)コースは、「天空への小径」と称して整備された道。
付近のパレスホームセンター、オザキスポーツ大野店、ショッピングモールヴィオの駐車場に車を入れて(店舗側には大野市から協力依頼済み)、国道158号側道入り口から徒歩で20分ほど。

金森長近

大永4年(1524年)、美濃国土岐郡多治見郷大畑村(現・岐阜県多治見市大畑町)に生誕。
土豪・土岐氏の権力闘争に巻き込まれ近江国野洲郡金森に移住。
18歳で近江を離れ尾張国・織田信秀(織田信長の父)に仕官し、そのまま信長にも仕えます。
美濃攻略に活躍し、信長直属の使番「赤母衣衆」(あかころもしゅう)に抜擢。
1575(天正3)年、越前国大野郡の3分の2にあたる2万石を領有し、越前大野城を築きます。
以降は、柴田勝家の配下となり、勝家が羽柴秀吉に討たれると、剃髪して降伏。
羽柴秀吉配下でも小牧・長久手の戦い、富山の役などで功をあげ、1585(天正13)年に飛騨一国を与えられています。
秀吉の御伽衆を務めるまで出世しますが、関ヶ原の合戦では東軍に与し、初代高山藩主となっています。
墓所は京都・大徳寺。

越前大野城
名称越前大野城/えちぜんおおのじょう
所在地福井県大野市城町3-109
関連HP大野市公式ホームページ
電車・バスでJR越前大野駅から徒歩20分
ドライブで北陸自動車道福井ICから約25km
駐車場100台/無料
問い合わせ越前大野城 TEL:0779-66-0234
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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