柳田國男が『遠野物語』で様々なカッパの伝承を紹介し、「カッパのふるさと」のイメージが強い岩手県遠野市。なかでも代表的な景勝地がカッパ淵。康平元年(1058年)創建という遠野の古刹、常堅寺(じょうけんじ)の脇に流れる川が足洗川で、その本堂裏手にあるゆったりとした流れがカッパ淵です。
常堅寺の火災の際、カッパがまっ先に駆けつけた
昔、いたずらが過ぎて村人に殺されかけたカッパが、村人に詫びを入れ許してもらいました。
そのカッパが常堅寺の火災の際にはまっ先に駆けつけて消火作業をしたと伝えられています。
十王堂前にある一対の狛犬(こまいぬ)は、頭の部分がくぼんだ「カッパ狛犬」で寺の鎮守となっているのでお見逃しなく。
柳田國男が『遠野物語』のなかで、山男や山女、河童(カッパ)や座敷童(ザシキワラシ)といった不思議な伝承を収集。
とくにカッパに関しては様々な伝承が集められたことから遠野には、「カッパのふるさと」のイメージが定着しています。
「小烏瀬川(こがらせがわ)の姥子淵(をばこふち)の辺に、新屋(しんや)の家(うち)といふ家あり。ある日淵(ふち)へ馬を冷やしに行き、馬曳きの子は外へ遊びに行きし間に、河童出でてその馬を引き込まんとし、かへりて馬に引きずられて厩(うまや)の前に来たり、馬槽(うまふね)に覆はれてありき。家の者 馬槽の伏せてあるを怪しみて少しあけて見れば河童の手出でたり。」(『遠野物語』第五八話)。
これがカッパ淵に伝わる伝承を柳田國男が『遠野物語』に収録したもの。
残念ながら小烏瀬川の姥子淵は道なき道を歩かないと到達しないので、常堅寺裏のカッパ淵の見学をまず。
カッパ淵 | |
名称 | カッパ淵/かっぱぶち |
所在地 | 岩手県遠野市土淵町土淵 |
関連HP | 遠野市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR遠野駅から早池峰バス恩徳行き、一ノ渡り行きで22分、伝承園前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 釜石自動車道遠野ICから約8km |
駐車場 | 伝承園駐車場(100台/無料) |
問い合わせ | 遠野市観光協会 TEL:0198-62-1333 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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