岩手山焼走り熔岩流

岩手山北東の山腹、標高1200m付近に残る溶岩流の跡が岩手山焼走り熔岩流。1732(享保17)年正月の大噴火の際、流れ出した溶岩が固まったもので、最大幅1km、長さ3km。片道約1kmの溶岩流観察路が整備され、岩手山の勇姿を眺望しながら散策が楽しめます。岩手山は標高2038mの成層火山で、岩手県内一の高山。

岩手山の山腹残る溶岩流の跡

岩手山は、山の半分は富士山のような美しい稜線を見せ、残りの半分は噴火によってできた複合火山となっているため、その山容から「南部片富士」とも呼ばれています。

岩手山は那須火山帯に属する火山で、有史以来12回もの噴火を繰り返してきました。
残されている岩手山の噴火の記録で、最も古いものは1683(天和3)年。
国の特別天然記念物にも指定される岩手山焼走り熔岩流を生んだ1732(享保17)年の大噴火は、最近の噴火では最大規模のもの。

宮澤賢治『鎔岩流』

岩手山をこよなく愛した宮澤賢治は長詩『鎔岩流』に、
「貞享四年のちいさな噴火から およそ二百三十五年のあひだに 空氣のなかの酸素や炭酸瓦斯 これら清洌な試薬(しやく)によつて どれくらゐの風化(ふうくわ)が行はれ どんな植物が生えたかを 見やうとして私(わたし)の来たのに対し それは恐ろしい二種の苔で答へた」
と記しています。
この『鎔岩流』の詩碑も立てられています。

岩手山焼走り熔岩流
名称岩手山焼走り熔岩流/いわてさんやきばしりようがんりゅう
所在地岩手県八幡平市平笠
関連HP八幡平市観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR大更駅からタクシーで15分
ドライブで東北自動車道西根ICから約10km
駐車場岩手山焼走り国際交流村駐車場(350台/無料)
問い合わせ八幡平市観光協会 TEL:0195-78-3500/FAX:0195-78-3838
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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