香川県高松市一宮町にある四国八十八ヶ所霊場第83番札所、一宮寺(いちのみやじ)。讃岐一之宮・田村神社の第一別当(神社を管理する寺)が寺名の由来。創建の歴史は古く、大宝年間(701年~704年)、奈良仏教の興隆の礎を築いた義淵(ぎえん)の開基で、当初は大宝院と称する法相宗(ほっそうしゅう)の寺でした。
もともとは讃岐一之宮の別当だった名刹
和銅2年(709年)、義淵の弟子・行基により、讃岐国一宮となる田村神社が創建されますが、この時、隣接する大宝院が田村神社の別当となり、名も一宮寺に改められています。
後の大同年間(806年~810年)、空海(弘法大師)が聖観音菩薩像を自刻し本尊として安置、堂宇は修築され、宗派も真言宗に変わっています。
戦国時代の天正12年(1584年)、戦火で焼失しますが、江戸時代、讃岐国高松藩2代藩主・松平頼常(まつだいらよりつね)により田村神社が仏教支配の両部神道から唯一神道に変わり(宮寺を廃止)、神社と神仏習合していた一宮寺の寺地も現在地に移されています。
その際、田村神社の本地仏(神は仏の仮の姿で、本来の仏=本地垂迹説)であった聖観世音菩薩は一宮寺の本尊となっています。
神仏習合の田村神社・一宮寺が四国八十八箇所83番札所でしたが、一宮寺が札所を引き継いでいます。
現存する本堂は元禄時代、松平家の再建。
本尊・聖観世音菩薩は秘仏ですが、毎年8月10日の前立本尊が御開帳されています。
本堂左手にある薬師如来像の石室(薬師如来の祠)の下に地獄へ通じる釜があり、祠に頭を入れると境地が開け、悪事を働いていると頭が抜けなくなるという言い伝えがあります。
この地獄の釜は、空海(弘法大師)が戒めのために築いたとも。
大師堂では、大師像を拝顔できるほか、写経体験も可能。
不動明王像を安置する護摩堂では毎月28日10:00〜護摩焚きが行なわれています。
四国八十八ヶ所霊場(四国遍路) 霊場間の距離・時間
82番札所・根香寺(ねごろじ/香川県高松市中山町1506) ・・・(車15km・30分/13.3km・3時間20分)・・・83番札所・一宮寺(いちのみやじ/香川県高松市一宮町607)・・・ (車17km・40分/13.7km・3時間30分) ・・・ 84番札所・屋島寺(やしまじ/香川県高松市屋島東町1808)
一宮寺(四国八十八ヶ所霊場第83番札所) | |
名称 | 一宮寺(四国八十八ヶ所霊場第83番札所)/いちのみやじ |
所在地 | 香川県高松市一宮町607 |
関連HP | 一宮寺公式ホームページ |
電車・バスで | ことでん一宮駅から徒歩7分 |
ドライブで | 高松自動車道高松西ICから約3.5km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 一宮寺 TEL:087-885-2301 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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