屋島寺(四国八十八ヶ所霊場第84番札所)

屋島寺

四国霊場第84番の札所が屋島寺(やしまじ)。天平勝宝6年(754年)、鑑真和上(がんじんわじょう)が朝廷に招かれ奈良に向かう途中(2月4日に平城京に到着)、屋島北嶺に創建し、後に空海が南嶺に移したと伝えられている古刹。鎌倉時代に建てられた瓦葺きの本堂は藤原時代初期の本尊、梵鐘とともに国の重要文化財。

古代の城跡・屋嶋城の跡に鑑真、空海が寺を築いた

屋島には天智2年8月(663年10月)、朝鮮半島での白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)で唐・新羅連合軍に大敗した大和朝廷が、天智天皇6年(667年)に築いた古代山城の屋嶋城(やしまのき)がありましたが、その屋嶋城が廃城となったため、その跡地に屋島寺を創建。

古代から屋島は瀬戸内海の制海権を掌握する重要な場所だったことがわかります。
平安時代末期の源平合戦(治承・寿永の乱)では、一の谷の戦い(現在の神戸須磨浦あたりで行なわれた激戦)で敗れた平家は、屋島に内裏を置いて本拠とし、瀬戸内海の水軍を掌握して、源氏を迎え撃ちます。

源義経は、阿波国勝浦に上陸し、徹夜で讃岐国へ進撃して、元暦2年・寿永4年2月19日(1185年3月22日)、那須与一の弓で有名な屋島の戦いが始まります。

屋島太三郎狸を祀る蓑山大明神は本堂横に鎮座

屋島寺
重要文化財に指定される屋島寺本堂
屋島寺
源平屋島合戦800年祭供養碑

江戸時代には高松藩主の尊崇を得て繁栄。
現在も国有林部分を除いて、屋島山上の敷地のほとんどは屋島寺の所有となっています。

遊歩道からは仁王門、四天門をくぐると鐘楼、本堂、宝物館が並んでいます。

鎌倉時代の前身堂の部材を用いて元和4年(1618年)建立された本堂は国の重要文化財。
アニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』にも登場した日本三大タヌキのひとつ屋島太三郎狸(やしまたさぶろうたぬき)を祭神とする蓑山大明神(みのやまだいみょうじん)、鑑真が祀られる三体堂、空海が祀られる大師堂、那須与一の子孫が寄進した「源氏の白旗」や「源氏の勝臼」など源平合戦の遺物を収蔵する宝物館、白い凝灰岩が露出する名勝・雪の庭(宝物館から観賞)など見どころが豊富。

往時の遍路道は屋島の南麓、屋島小学校奥にある遍照院から山上へと続いており、途中には屋島御加持水、不喰梨(くわずなし)という番外霊場があります(遍照院から徒歩30分)。

霊場間の距離・時間

83番札所・一宮寺(香川県高松市一宮町607) — (17km/40分) — 84番札所・屋島寺(香川県高松市屋島東町1808) — (8km/15分) — 85番札所・八栗寺(香川県高松市牟礼町牟礼3416)

屋島寺(四国八十八ヶ所霊場第84番札所)
名称屋島寺/やしまじ
Yashimaji Temple
所在地香川県高松市屋島東町1808
関連HP四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスでことでん志度線屋島駅からタクシーで10分
ドライブで高松自動車道高松中央ICから約10km
駐車場屋島山上南嶺駐車場(400台/有料)
問い合わせ屋島寺 TEL:087-841-9418/FAX:087-841-8484
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
一宮寺(四国八十八ヶ所霊場第83番札所)

一宮寺(四国八十八ヶ所霊場第83番札所)

香川県高松市一宮町にある四国八十八ヶ所霊場第83番札所、一宮寺(いちのみやじ)。讃岐一之宮・田村神社の第一別当(神社を管理する寺)が寺名の由来。創建の歴史は古く、大宝年間(701年~704年)、奈良仏教の興隆の礎を築いた義淵(ぎえん)の開基

八栗寺(四国八十八ヶ所霊場第85番札所)

八栗寺(四国八十八ヶ所霊場第85番札所)

香川県高松市東部、五剣山(375m)の中腹、標高230m内外にある真言宗高野山派の寺、八栗寺(やくりじ)。四国八十八ヶ所霊場第85番札所で、四国ケーブルの八栗ケーブルが山麓から寺へと通じています。寺伝によれば、当初は山頂から八国を見渡すこと

屋嶋城

屋嶋城

天智天皇2年8月(663年10月)、朝鮮半島の白村江(現在の錦江河口付近)で倭国・百済遺民の連合軍と、唐・新羅連合軍の間で激戦となった白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)。その敗北の結果、大和朝廷は、北九州と瀬戸内海に唐・新羅の侵攻を阻む

蓑山大明神

蓑山大明神

屋島山上の四国八十八ヶ所霊場第84番札所、屋島寺の本堂横に鎮座するのが蓑山大明神(みのやまだいみょうじん)。「日本三名狸」(にほんさんめいたぬき)に数えられる屋島太三郎狸(やしまのたさぶろうたぬき)を祀った社です。『平成狸合戦ぽんぽこ』にも

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ