前身は鎌倉幕府5代執権・北条時頼(ほうじょうときより)が永暦元年(1160年)に創建し閑居した最明寺。8代執権・北条時宗は蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を迎えて禅興寺として再興し、康暦2年(1380年)、鎌倉公方・足利氏満の命で関東管領・上杉憲方(うえすぎのりかた)が中興しています。アジサイが咲く「あじさい寺」としても有名。
「あじさい寺」として親しまれる北鎌倉の名刹
禅興寺は、廃仏毀釈の荒波で明治初期に廃寺となりましたが、塔頭(たっちゅう)のひとつだった明月院のみ現存。
江戸時代初めの『新編鎌倉志』には「僅かに古堂ばかり残りて明月院の持分なり」と記されているので江戸時代にはすでに禅興寺が廃れていたことがわかります。
明月院も関東管領・上杉憲方創建で、宗猷堂(そうゆうどう=開山堂)には、開山となる密室守厳(みっしつしゅごん)の木像を安置。
宗猷堂の脇には鎌倉十井の一つ瓶ノ井(つるべのい)があります。
見どころは最明寺で最期を遂げた北条時頼の墓所のほか、枯山水庭園、上杉憲方の墓と伝えられる鎌倉最大の明月院やぐら、そして初夏(見頃は例年6月中旬頃)のアジサイ。
約2000本のアジサイが咲き誇り、「あじさい寺」の別称も。
仏殿(本堂)の紫陽殿(しようでん)では、和菓子付の抹茶をいただくことも可能。
明月院やぐらは、間口7m、奥行6m、 高さ3mの岩窟。
壁面には釈迦如来、田寳如来、十六羅漢像が彫られ、中央に上杉憲方を祀るという宝篋印塔が安置され、基壇上部には十六羅漢の浮彫もあって「羅漢洞」とも呼ばれています。
鎌倉のやぐら(鎌倉時代の横穴式墳墓)で最大級のもの。
明月院境内として国の史跡になっています。
明月院 | |
名称 | 明月院/めいげついん Meigetsuin Temple |
所在地 | 神奈川県鎌倉市山ノ内189 |
関連HP | 鎌倉市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR北鎌倉駅から徒歩10分 |
ドライブで | 横浜横須賀道路朝比奈ICから約7km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 明月院 TEL:0467-24-3437 |
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