神奈川県横須賀市の臨海公園、ヴェルニー公園にあるのがヴェルニー記念館。幕府の招聘で幕末に来日し、横須賀製鉄所を建設したフランス人技師ヴェルニーの功績と、横須賀製鉄所(後の横須賀造船所、現在の米軍横須賀基地の場所に創建)の意義を解説するミュージアム。フランスのブルターニュ地方の住宅を模した外観です。
展示されるスチームハンマーは国の重文
幕末の慶応元年(1865年)、勘定奉行・小栗忠順(おぐり ただまさ)の進言で、フランスからフランソワ・レオンス・ヴェルニー(François Léonce Verny)を招いて横須賀製鉄所を建設。
明治新政府は、明治4年4月9日に横須賀造船所と改称し、さらに海軍の横須賀鎮守府が開設された後には横須賀海軍工廠となり、多くの軍艦を建造しています。
ヴェルニーが指導して建造した木造外輪船(帆走併用)の「蒼龍」が明治5年に、初の国産軍艦「清輝」が明治8年に進水しています(ヴェルニーは明治9年に離日)。
ヴェルニーは、走水から横須賀製鉄所までの水道を敷設(水道トンネルが現存)、さらには日本初の洋式灯台となる観音埼灯台(明治2年1月1日初点灯)を始めとする灯台を設計し、「灯台の父」ともいわれています。
ヴェルニー記念館の館内には国の重要文化財に指定される、オランダ製(1865年製造)のスチームハンマー(旧横須賀製鉄所設置/蒸気機関を動力源として、重量ある金属のハンマーを上下させて、鍛造・圧延を行う金属加工機械)や、スチームハンマーの現役当時の写真や工具などを展示しています。
大きな窓からはかつて横須賀製鉄所(後の横須賀造船所、横須賀海軍工廠)があった現在の米軍横須賀基地を眺望する仕組み。
横須賀製鉄所は、本格的な近代造船技術の習得に向けた第一歩を踏み出した場所で、ヴェルニー記念館の所蔵のスチームハンマーは、「欧米諸国に比肩する近代造船業成長の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。
横須賀市内では、旧横須賀製鉄所(乾ドック1号~3号)、旧住友重機械工業浦賀艦船工場第1号ドック・ポンプ施設・ドックサイドクレーン(通称「浦賀ドック」)、同じ神奈川県では、日本丸メモリアルパーク(旧横浜船渠第1号ドック) 、ドックヤードガーデン(旧横浜船渠第2号ドック)が「欧米諸国に比肩する近代造船業成長の歩みを物語る近代化産業遺産群」認定です。
ヴェルニー記念館 | |
名称 | ヴェルニー記念館/ゔぇるにーきねんかん |
所在地 | 神奈川県横須賀市東逸見町1-1 |
関連HP | 横須賀市公式ホームページ |
電車・バスで | JR横須賀駅からすぐ。京急汐入駅徒歩5分 |
ドライブで | 横浜・横須賀道路横須賀ICから約5km |
駐車場 | ヴェルニー公園駐車場(6台/有料) |
問い合わせ | ヴェルニー記念館 TEL:046-824-1800 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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