牧水まつり｜中之条町・暮坂峠

毎年10月20日11:00～13:00、群馬県中之条町の暮坂峠（くれさかとうげ）で『牧水まつり』が開催されます。大正11年10月20日、若山牧水（わかやまぼくすい）は草津から沢渡（さわたり）へ暮坂峠を越え、『枯野の旅』を残しています。この日にちなんで牧水詩碑保存会が中心となり、毎年『牧水まつり』を開催。

『みなかみ紀行』途中、暮坂峠を越える

『牧水まつり』が開催される10月下旬の暮坂峠は、カラマツや落葉樹の紅葉が見頃。
またナメコ汁のサービスや、地元の物産販売などが行なわれます。

暮坂峠にはシンボルとなっている「マントを羽織ったブロンズ像の牧水」が立ち、その下には『枯野の旅』を刻んだ詩歌が建っている。

『牧水まつり』では、保存会の人々によって『枯野の旅』の朗読も行なわれています。

『枯野の旅』　若山牧水

乾きたる
落葉のなかに栗の實（み）を
濕りたる
朽葉（くちば）がしたに橡（とち）の實を
とりどりに
拾ふともなく拾ひもちて
今日の山路を越えて來ぬ

長かりしけふの山路
樂しかりしけふの山路
殘りたる紅葉は照りて
餌に餓うる鷹もぞ啼きし

上野（かみつけ）の草津の湯より
澤渡（さわたり）の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠

暮坂峠

群馬県中之条町の沢渡（さわたり）と六合（くに）を結ぶ県道中之条草津線（群馬県道55号）にある峠が暮坂峠で、標高は1086m。かつては草津温泉と中之条を結ぶ主要道で、強酸性の草津温泉から、仕上げの湯として柔らかい湯の沢渡温泉へと向かう湯治客で