成相寺

成相寺は、704(慶雲元)年、真応上人が開基した橋立真言宗の古刹で、天橋立を望む絶景で知られる鼓ヶ岳(569.1m)の中腹に建っています。元々は真言密教(山岳修験)の道場。本尊は美人観音として知られる聖観世音菩薩で、「願い事が成りあう寺」として信仰を集めています。西国三十三所第28番札所(西国札所最北端の寺)。

西国札所最北端の寺には、七不思議が残されている

撞かずの鐘

真向の龍

成相寺境内には真向ノ池、底なし池、左甚五郎作と伝わる「真向の龍」、悲劇の伝説が残る「撞かずの鐘」などの七不思議があり、正応3年(1290年)銘がある鉄湯船(本堂前の手水鉢)など重要文化財も多数という、まさに名刹。
現在の本堂は、1774(安永3)年の再建。
以前の堂宇は、さらに成相山の山上にあり、南北朝時代には「成相寺城」という山城にもなっていました。
1400(応永7)年に起きた山崩れで崩壊。現在の境内地に移ってきたのです。
成相寺と成相寺旧境内は、国の史跡にもなっています。
旧境内からは奈良時代から南北朝時代の建物跡や石垣、古い墓などが確認されており、成相寺の伝わる古き歴史を証明しています。

美人の観音様のご利益にあやかろう

『千日法会』

紅葉も見事

2月3日に節分星祭り、8月9日に『千日法会』が行なわれるほか、毎月18日が縁日。
『千日法会』はこの日にお参りすると1000日分の御利益があるというありがたい日。

西国三十三所第28番札所の本尊は稀にみる美人の観音様。女性が拝むと心の優しい美人に、男性が拝むと気だてのいい美人にめぐり会えると伝えられますが、残念ながら33年に一度開扉という秘仏です。
肌身離さずご加護を得るための美人観音守も授与されています。
このほか授与品では、魔剣に龍が上る姿を描いた「人生必勝守り」もユニーク。魔剣は「負けん」にも通じるのだとか。

また、境内には弁天山展望台があるほか、本堂裏手の山の中腹(車で7分)には「日本一のパノラマ展望所」があり、晴れていれば天橋立の奥に能登半島が見渡せる鳥瞰的な絶景を得ることができるのでお見逃しなく。

室町時代にできたと推測される『成相寺参詣曼荼羅』には天橋立から成相寺への参詣の道が曼荼羅風に描かれ、往時の繁栄ぶりと賑わいがよくわかります。

ちなみに、成相寺や傘松公園の登山口である府中地区は、府中という地名が示すとおり、中世に丹後国(たんごのくに)の国府、国分寺があった地と推測されています。
国庁の位置は定かでありませんが、丹後郷土資料館の建つ場所が国分寺跡です。
まさに、丹後の中心だった場所の背後の山上に位置したのが成相寺だったというわけなのです。

成相寺参詣曼荼羅

『観音霊験記 西国巡礼』 開山斎遠禅師

二代目広重・三代目豊国(国貞)が描いた札所本尊の由来を紹介した錦絵シリーズの『観音霊験記 西国巡礼』。
1858(安政5)年に刊行が始まった、当時の観音巡礼のガイドブックです。

紹介されているのは成相寺を開いた斎遠禅師の話。
厳しい冬の大雪の日、斎遠禅師は日々『法華経』を読誦していましたが、食糧の蓄えもなく困窮していた時、不思議なことに庭の前に鹿の足が落ちていました。
これは、三種浄肉(食べても罪にならない肉)だということでありがたく煮て味わいました。
その後、里人が食物を背負ってやってきた際に、その話を里人にしたところ、鍋の中にはなんと、鹿の肉ではなく、桧の削り屑が。
ご本尊を見ると、腰から下に削り痕が・・・。
観音様が食べ物となって飢え死にするところを救ってくださったという物語。
今も霊験あらたかな成相寺のお話です。

『観音霊験記 西国巡礼』「二拾八番丹後国成相寺 開山斎遠禅師」

成相寺 DATA

名称 成相寺/なりあいじ
所在地 京都府宮津市成相寺339
公式HP 成相寺
電車・バスで 北近畿タンゴ鉄道宮津線天橋立駅から徒歩5分、天橋立桟橋から丹後海陸交通の観光船で一の宮桟橋まで12分、徒歩5分の府中一の宮から傘松ケーブルで4分で傘松駅(傘松公園)、さらに丹後海陸交通の登山バスで7分(天橋立観光船、ケーブルカー、リフト、成相寺行き登山バスなどが乗り降り自由の「天橋立フリーきっぷ」大人 1900円が便利)
ドライブで 山陰近畿自動車道与謝天橋立ICから約8.8km
駐車場 80台/無料
問い合わせ TEL:0772-27-0018/FAX:0772-27-1409
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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