藤原岳

藤原岳

三重県いなべ市と滋賀県東近江市の境、鈴鹿山脈北部の秀峰で、標高は1144.8m。鈴鹿山脈の最高峰・御池岳(1247m)や最北の霊仙岳(1094m)とともに鈴鹿山脈北部のカルスト地形の一角を占める名山。石灰岩を採掘するために、山の南面が大きく削られています。

山頂はカルスト地形でカレンフエルト、ドリーネ群も!

草原状になった山頂部にはカレンフエルト(石塔原)が広がり、ドリーネと呼ばれる凹地、さらに巨大なウバーレなどが点在する独特の地形になっています。
冬季は日本海からの吹き出しの影響を受け、山頂部では数メートルに達する降雪を見ることも(冬季の登山はラッセルが必要で冬山装備が必要)。

そうした冬季の積雪もあって近畿地方では指折りの「花の名山」(田中澄江『花の百名山』選定)で、山頂のお花畑を目的に多くの登山客が訪れています。
とくに早春のフクジュソウは藤原岳の代名詞に。

大貝戸ルート(表登山道)の登山口近くには「藤原岳自然科学館」があり、藤原岳に生息する動物や植物の剥製などを展示しています。
聖宝寺ルート(裏登山道)の登山口にある聖宝寺は、平安初期に天台宗の開祖・伝教大師が創建した古刹。
藤原期の作庭と伝えられる庭園や境内のカエデが見事です。
大貝戸ルート(表登山道)、聖宝寺ルート(裏登山道)ともに所要3時間30分ほどで山頂。

山頂直下には藤原山荘(無人小屋)があり、宿泊も可能(ただしカルスト地形なので水場がありません)。
避難小屋ですが、ここで泊まれば、琵琶湖の夕日、四日市、名古屋方面の夜景が見事です。

藤原岳の山名の由来は定かでなく、聖宝寺の創建過程とも関連があるとも推測されています。
伊藤姓は藤原秀郷(ふじわらのひでさと)を祖とする伊勢の藤原に由来するように(秀郷7代の子孫・尾藤基影が伊勢守となって、伊藤氏を称したのが始まり)、藤原家と深い関係性があった地ということがわかります。

藤原岳
山麓から眺めた藤原岳
藤原岳
冬季はかなりの積雪が(伊吹山方面を眺望)
藤原岳
名称 藤原岳/ふじわらだけ
所在地 三重県いなべ市藤原町大貝戸
関連HP いなべ市公式ホームページ
電車・バスで 近鉄名古屋線富田駅から三岐鉄道に乗り換え、終点の西藤原駅下車、徒歩5分で表登山道
ドライブで 名神高速道路関ヶ原ICから約23km
駐車場 藤原岳観光駐車場(30台/有料)
問い合わせ いなべ市農林商工部商工観光課 TEL:0594-86-7833/FAX:0594-86-7869
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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