おはらい町

おはらい町

内宮宇治橋から約800mにわたり伊勢独特の切妻入りの建物が建ち並んでいますが、これがおはらい町。かつての参宮街道の一部で、付近には明治の初めまで、伊勢参りの人々をもてなす御師の家(おんしのいえ)が建ち並んでいました。神宮の神道色が強くなり、聖地と化したのは明治以降で、それまでは庶民的な色彩が強かった巡礼の地だったのです。

かつては御師が住んだ内宮社前の町

一般の人々に代行してお供えを奉納した権禰宜(ごんねぎ=下級の神官)と呼ばれる神主が後に御師と呼ばれ、お札や暦を渡したり、宿泊の世話や祝詞(のりと)もあげたので、社前の町並みがおはらい町と名付けられました。

伊勢神宮内宮の門前町(鳥居前町)で江戸時代に建築された切妻・妻入りまたは入母屋・妻入りの伝統様式の家並みが現存。
赤福の資金協力などもあって、平成元年に5.3ha、56軒(140棟)を対象に「伊勢市まちなみ保全条例」が制定され、電柱の撤去、石畳の道への改修、町屋の修復などが行なわれました。

建物がすべて妻入り造りなのは、神宮正宮の平入り造りに配慮したもの。
世古と呼ばれる横道(小路)も昔のままなのでぜひ世古にも注目を。

御師(おし、伊勢ではおんし=御祈祷師の略称)は、参拝者を神社に先導し、祈祷や宿泊などの世話をする人。
熊野詣、伊勢詣、富士講などに見られるシステムで、平安時代末期に盛んになった熊野詣に登場したのがその始まり。

御師は全国を巡り、神宮信者の檀家(だんか)を次々と増やし、伊勢参りの際には至れり尽くせりのサービスを提供したので、中世には伊勢の御師が全国的に有名となりました。

御師の数は伊勢では幕末に山田に555家、宇治で309家を数えたましたが、明治維新で制度そのものが廃止され、現存する家は旧御師丸岡宗大夫邸くらいになっています。

現在、おはらい町の一角には明治初期の町並みが復元されたテーマパーク的な「おかげ横丁」があります。
明治初期の風情を再現した「おかげ横丁」とともに、伊勢神宮参拝の帰りにはおはらい町をぜひのんびりと散策しましょう。
日中は混雑しますが、赤福本店も早朝から営業。
社前の神聖な雰囲気を味わいたいなら、赤福本店の開店に合わせるくらいの時間に探勝を。

おはらい町
名称 おはらい町/おはらいまち
所在地 三重県伊勢市宇治中之切町
関連HP 伊勢市観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR・近鉄伊勢市駅から三交バス外宮内宮循環で15分、神宮会館前下車、徒歩5分
ドライブで 伊勢自動車道伊勢西ICから約1.8km
駐車場 内宮A1・A2・A4駐車場(260台/1時間まで無料、以降有料)・内宮B1~B6駐車場(1540台/1時間まで無料、以降有料)
問い合わせ 伊勢市観光協会 TEL:0596-28-3705
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
おかげ横丁

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