椿大神社

椿大神社

三重県鈴鹿市山本町、鈴鹿山脈の前衛峰、入道ヶ岳(905.6m)を背に鎮座するのが伊勢国一之宮の椿大神社(つばきおおかみやしろ)。全国2500社におよぶ天孫降臨を啓行(みちひらき)した猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)を祀る神社の総本社で、別名を猿田彦大本宮とも。開運招福の社として有名です。

伊勢国一之宮は、「みちびきの祖神さま」

社伝では、垂仁天皇20年に入道ヶ岳から霊魂(猿田彦大神の御神霊)を奉祭したと伝えられ、入道ヶ岳には奥の宮磐座(おくのみやいわくら)があり(太古の祭祀跡)、境内には瓊々杵尊(ににぎのみこと)の乗った御船が到着したと伝承される「御船磐座」(みふねのいわくら)が残されています。
参道途中には前方後円墳(「高山土公神陵」)があり、猿田彦大神の墳墓だと伝えられています。

猿田彦大神が瓊々杵尊降臨の際、先導したという神話から、交通安全の神として知られ、中京・関西地区では車のお祓いなどでも有名です。

深閑とした広い境内には、幽厳なたたずまいの本殿・拝殿のほか、行満大明神(ぎょうまんだいみょうじん=役行者を導いたという修験道の神)や寿老神(鈴鹿七福神)を祀る行満堂神霊殿、聖武天皇の勅願により奉納された獅子頭が由来で、車輌清め祓いを行なう獅子堂、平安後期の作と伝わる地蔵尊を祀る椿延命地蔵尊がなどもあり、神仏習合だった中世、近世の歴史を伝えています。
椿大神社の神宮寺(別当)だった徳王寺は、明治初年の神仏分離、廃仏毀釈で廃寺となり、本尊・薬師如来は法雲寺(鈴鹿市大久保町)に遷されています。

別宮の椿岸神社(つばききしじんじゃ=鈿女本宮)は、猿田彦大神の妻神・天之鈿女命(あめのうずめのみこと)を主神として祀り、芸道の祖神、夫婦円満、縁結びの神として崇敬され、神前挙式も行なわれています。
芸能人の参拝も多く、縁結びでも名高いので、ぜひ合わせて参拝を。

松下電器の創業者・松下幸之助氏が寄進した茶室「鈴松庵」と庭園もあり、茶室は流派を問わず広く一般にも公開されています。

境内にある別宮・椿岸神社は、猿田彦大神の妻神、天鈿女命を主神とし、芸能上達にご利益が大とか。

「椿会館」の1階では、椿名物「とりめし」、伊勢うどんなどを味わうことが可能なほか(予約で個室での食事も可能=お宮参り、七五三詣後のお食事会などに利用できます)、ロビーに古文書、史料を展示しているので、お立ち寄りを。
「椿会館」には宿泊も可能です。

ちなみに、伊勢国の国府があった場所は、鈴鹿市広瀬町 ・ 西冨田町にまたがる長者屋敷遺跡(奈良時代中期の政庁・官衙群を発掘)で、伊勢国分寺の跡も鈴鹿市国分町から発掘されています(伊勢国分尼寺の遺構は見つかっていません)。
総社は不詳ですが、三宅神社(鈴鹿市国府町)と推測され、一之宮が椿大神社、二之宮が多度大社です。

椿大神社
名称 椿大神社/つばきおおかみやしろ
所在地 三重県鈴鹿市山本町1871
関連HP 椿大神社公式ホームページ
電車・バスで 近鉄名古屋本線四日市駅から三重交通バス椿大神社行きで48分、椿大神社下車
ドライブで 新名神高速道路鈴鹿PAスマートICから約3km、東名阪自動車道鈴鹿ICから約5km
駐車場 1400台/無料
問い合わせ 椿大神社 TEL:059-371-1515/FAX:059-371-1668
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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