久留倍官衙遺跡

久留倍官衙遺跡

三重県四日市市大矢知町にある奈良時代を中心とした官衙(かんが=役所)の跡が、久留倍官衙遺跡(くるべかんがいせき)。朝明川(あさけがわ)と海蔵川(かいぞうがわ)とにはさまれた丘陵の東先端部に築かれており、発掘調査で掘立柱建物跡などが見つかっています。

政庁、正倉群の跡が発掘された朝明郡衙の遺構

久留倍官衙遺跡からは、地方に赴任した行政官が政務を執り行なった政庁や、租税として集めた米などを保管した正倉院、その他の関連施設の跡などが確認され(政庁と正倉院が一体的に発掘)、全国的に見ても貴重な官衙遺構となっています。

一帯は、奈良時代には伊勢国朝明郡(あさけぐん)で、朝明郡の郡衙(ぐんが)とも推測できます。
朝明郡衙には、弘文天皇元年(672年)の壬申の乱(じんしんのらん)で、近江朝廷に反旗を翻した大海人皇子(おおあまのおうじ=後の天武天皇)が立ち寄り、天平12年(740年)、聖武天皇東国行幸(しょうむてんのうとうごくぎょうこう)でも、大海人皇子の行程をたどるように伊勢国から不破の関に向かう途中に立ち寄っています。

正門である八脚門を入ると正面に政庁(伊勢湾を望む東向きに建設)、その左右に脇殿が控え、周囲を塀で取り囲んでいます。
郡衙の政庁は通常は南を向いて建っているので、伊勢湾が重要な交易ルートだった証なのかもしれません。

一帯は、くるべ古代歴史公園として整備され、「くるべ古代歴史館」がガイダンス施設として建っています。

東海地方では岐阜県関市・美濃市に弥勒寺官衙遺跡群(みろくじかんが いせきぐん/国の史跡)があり、郡庁院、正倉院、館(たち)、厨家(くりや)などが一体となって発掘された貴重な郡衙遺跡となっています。

久留倍官衙遺跡
名称 久留倍官衙遺跡/くるべかんがいせき
所在地 三重県四日市市大矢知町
関連HP くるべ古代歴史公園(久留倍官衙遺跡公園)公式ホームページ
電車・バスで 三岐鉄道大矢知駅から約15分
ドライブで 東名阪自動車道四日市東ICから約3.5km
駐車場 くるべ古代歴史館駐車場(20台/無料)を利用
問い合わせ 四日市市シティプロモーション部文化課 TEL:059-354-8238/FAX:059-354-4873
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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