奈良県奈良市、奈良から春日山(かすがやま)を越え、柳生(やぎゅう)を結ぶ旧道が柳生街道(滝坂の道)。世界遺産にも指定された春日山原始林の鬱蒼とした巨木が茂るなかを石畳の道が続いています。現在残された2.5kmにわたる石畳は江戸時代に奈良奉行が敷いたものと伝えられます。
奈良と柳生を結ぶ古道に、藩政時代の石畳が現存
昭和初期までは牛馬の背に米や薪を積んで奈良へと運ばれたという古道。
多くの武芸者が柳生にある正木坂道場を目指し、この道を歩いたとも。
小説などでは宮本武蔵もこの街道を歩いたことになっていますが、柳生十兵衛に関する逸話を含め史実でく、後世の創作が数多くあります。
荒木又右衛門の試し斬り伝説の残る「首切り地蔵」もそのひとつ。
滝坂の道という名は、道沿いに小さな滝がたくさんあるのが由来。
途中にはある磨崖仏の朝日観音、夕日観音は、鎌倉時代の弥勒信仰の隆盛を背景に刻まれた弥勒菩薩(観音菩薩ではありません)、寝仏は室町時代に刻まれた密教本尊の大日如来で、修験道の隆盛を背景にしていると推測できます。
春日山の地獄谷石窟仏は、神仏習合の春日山信仰を背景にした平安時代のもので(地獄谷は春日奥山の香山堂=新薬師寺の前身に参ずる行者たちの修行の場)、釈迦如来像、薬師如来像、阿弥陀如来像などが刻まれています。
刻まれた石仏から、江戸時代以前から、多くの旅人が行き交った道だったということがよくわかります。
柳生街道(滝坂の道)12km コースタイム
近鉄奈良駅〜(徒歩35分)〜白毫寺入口〜(徒歩45分)〜首切り地蔵〜(徒歩20分)〜峠の茶屋〜(徒歩25分)〜上水道施設〜(徒歩45分)〜円成寺
旧柳生街道(滝坂の道)は東海自然歩道の一部で、円成寺〜夜市布山口神社〜南明寺〜柳生の里(旧柳生藩家老屋敷)と歩けば、近鉄奈良駅から5時間ほどかかります
柳生街道(滝坂の道) | |
名称 | 柳生街道(滝坂の道)/やぎゅうかいどう(たきさかのみち) |
所在地 | 奈良県奈良市百毫寺町 |
関連HP | 奈良市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR・近鉄奈良駅から奈良交通市内循環、山村町行きなどのバスで、砕石町下車、高畑町の交差点付近から |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約7km。西名阪自動車道天理ICから約10kmで春日大社駐車場 |
駐車場 | 春日大社駐車場(100台/有料)などを利用 |
問い合わせ | 奈良市観光協会 TEL:0742-27-2223 |
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