奈良町の町並み

奈良町の町並み

奈良県奈良市、奈良町は中世以降発展し、近世に完成した歴史的な家並みが奈良町の町並み。和銅3年(710年)に遷都した平城京が造営されたおり、都の東に南都七大寺のひとつ元興寺(がんごうじ)の境内地として造られたのが奈良町の始まり。江戸時代の庚申信仰(こうしんしんこう)なども残る昔町です。

江戸時代後期や明治時代の建物も現存

平安時代後半以降に元興寺は衰退しますが、都が長岡京を経て京に移った後も、現在の奈良公園など広大な寺域を誇った興福寺、東大寺、元興寺などの寺院を中心としたこのあたりは「南都」と呼ばれて門前町として生き残り、平安時代末期の11世紀~12世紀頃、寺社の仕事に携わる人々が居住し、町が形成されました。
戦国時代に社寺の支配を離れ、江戸時代には幕府の下で近世都市として発展し、奈良町が成立します。
奈良町という正式な地名はなく、中院町、南市町、中新屋町、上清水町などの総称で南北600m、東西400mの地域を指す言葉。
町割りは平城京の条坊を反映し、桜井と奈良を結ぶ上街道、柳生街道が交わり、旅人の往来でも賑わいを見せました。

柳生街道高坂の道に続く高畑界隈では重厚な土塀が残され、元興寺伽藍跡に成立したいわゆる三新屋、花街の雰囲気を伝える元林院などエリアによって、町の雰囲気も異なっています。

面積49.3haは奈良市の「奈良町都市景観形成地区」に指定され、国道369号よりも南を「ならまち」とひらがなで表記しています。
建ち並ぶ昔ながらの町家は間口が狭く奥行きの深い構造で、すべての家が表通りに面する造り。
軒先に下がる赤い布でできた飾りは、「庚申さん」(青面金剛が本尊)のお使いの申を型どった「身代わり申」です。
なお奈良町のルーツである元興寺は世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産として中院町に現存。
本堂である元興寺極楽堂(極楽坊本堂)は国宝。

奈良町一帯には、奈良市ならまち格子の家、奈良町資料館、今西家書院(重要文化財)、時の資料館、奈良市音声館、奈良町にぎわいの家(国登録有形文化財)、藤岡家住宅(重要文化財)などがあるほか、坂本家、正木家、吉岡家は国の登録有形文化財になっています。

奈良町の町並み
奈良町の町並み
名称 奈良町の町並み/ならまちのまちなみ
所在地 奈良県奈良市西新屋町
関連HP 奈良市公式ホームページ
電車・バスで 近鉄奈良駅から徒歩15分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約8km
駐車場 なし/ならまちセンター駐車場(374台/有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 奈良町にぎわい課 TEL:0742-24-8936/FAX:0742-24-8937
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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