新潟県南魚沼郡湯沢町土樽、大源太キャニオンと通称される地にある大源太川に築かれたアーチ式の砂防堰堤が、大源太川第1号砂防堰堤。国の登録有形文化財、土木遺産に認定の砂防ダムで、ダム湖の大源太湖の湖畔には大源太キャニオンキャンプ場が整備されています。
魚野川流域の洪水防止を目的に昭和14年に完成の砂防ダム
魚野大水害(昭和10年9月25日)をきっかけに、上流部に築かれた砂防堰堤のひとつで、大源太川では3基の砂防堰堤が計画され、その1号が大源太川第1号砂防堰堤。
昭和14年11月に完成のアーチ式砂防堰堤で、戦前に築かれた全国8基のアーチ式砂防ダムのひとつ。
四十八滝と呼ばれる瀑布群のある大源太川の狭隘部を利用して、砂防ダムを築いたもので、ダム湖の大源太湖から眺める秀峰・大源太山は、「東洋のマッターホルン」とPRされています。
大源太川第1号砂防堰堤は、表面に割石を積み上げ、内部に中詰め石として転石を混入しその隙間にコンクリートを詰める「粗石コンクリート構造」。
建設当時、高価だったセメントの使用量を減らすための工夫です。
アーチ式が採用されたのは、アーチ式砂防堰堤は重力式堰堤に比べて堤体積を三分の一程度に軽減できるから。
堰堤サイトの岩盤が良好だったため、アーチ式を採用したのです。
堰堤の表面部分は、積んだ石が整然と並ぶ矢羽積(やばねづみ)が採用され、美しいアーチをさらに際立てています。
大源太川第1号砂防堰堤のダム湖側には希望橋が架橋され、橋の上からダム湖、堰堤上部を眺めることができます。
令和2年には補強工事が完成し、美しい姿を取り戻しています。
上越国境には群馬県側のみなかみ町・湯檜曽川にある土合砂防堰堤も昭和16年築のアーチ式砂防堰堤です。
大源太川第1号砂防堰堤 | |
名称 | 大源太川第1号砂防堰堤/だいげんたがわだいいちごうさぼうえんてい |
所在地 | 新潟県南魚沼郡湯沢町土樽 |
電車・バスで | JR越後湯沢駅から南越後観光バス大源太キャニオンキャンプ場行きで33分、終点下車。または、JR越後湯沢駅からタクシーで20分 |
ドライブで | 関越自動車道湯沢ICから約8.5km |
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