後藤姫だるま工房

後藤姫だるま工房

大分県竹田市吉田、旧岡藩(現竹田市)に由来する女だるまの工房が、後藤姫だるま工房。その背景には家運隆盛の象徴となった下級武士の妻「綾女の物語」がありますが、現在、姫だるまを制作するのは後藤姫だるま工房。注文してから納品まで大きさによっては数年待ちの場合もあるとか。

豊後竹田に伝わる「起き上がり様」を今に伝える工房

木型に新聞紙を貼り重ね、和紙で形を整えて乾燥、木型から抜いた後、顔料絵具「色(しろ)」を塗り、最後に絵付けという16工程すべて手作業で完成します(1体制作するのに1週間〜10日必要)。
作り手は、2代目・後藤明子さん、3代目となる後藤久美子さんふたりだけ。

赤い部分の模様は縁起物の松竹梅。
頭部に描かれた金の菱形は、太陽をイメージしているのだとか。
白い背中に、玉ねぎのような不思議な模様があるのは、厄除け、子孫繁栄にご利益がある宝珠です。

姫だるまのモデルといわれるのが、下級武士・雑賀勘左衛門の妻・綾女。
雑賀家は、貧しさゆえに、家の中でいさかいが絶えず、慶安2年(1649年)、ついに綾女は家を追い出されてしまいます。
2日2晩納屋の前で厳冬の寒さに絶えた結果、復縁することができ、その姿に心を改めた雑賀勘左衛門は岡藩の鉱山奉行になるまで出世。
辛抱の末に幸せをつかんだ綾女というのが、背後に伝わる物語で、かつては下級武士やその妻が内職でこのだるまを製造していました。

その伝統と文化も潰(つい)えてしまいますが、昭和27年、初代・後藤恒人さんが江戸時代と同じ製法で製造を開始。
岡藩の城下町・竹田には昭和の初期まで「投げ込み」と呼ばれる風習があり、青年団の若者が元日の夜、姫だるまを各家に投げ込み、投げ込まれた家では2日の朝、「福が入った」と喜び、一家の長が神棚に祀ったのです。
当時は、「起き上がり様」と呼ばれていましたが、復活させた後藤恒人さんが昭和31年に「姫だるま」と命名したのです。

後藤姫だるま工房では、手ぬぐい、巾着などの姫だるまグッズも販売しているので、工房見学がてら姫だるまグッズの購入を(姫だるまの予約受付も可能)。
サイズは、4号(20cm)~8号(50cm)の5種類、電話注文でも予約、購入可能。

後藤姫だるま工房
名称 後藤姫だるま工房/ごとうひめだるまこうぼう
所在地 大分県竹田市吉田889-1
関連HP 竹田市観光ツーリズム協会公式ホームページ
電車・バスで JR玉来駅から徒歩20分
ドライブで 東九州自動車道大分光吉ICから約44km
駐車場 7台/無料
問い合わせ 後藤姫だるま工房 TEL:0974-62-3735
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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