大分県宇佐市高森、駅館川(やっかんがわ)東岸の台地に広がる史跡公園が「宇佐風土記の丘」。19.2haという広大な敷地を誇る園内には、九州最古で、長さ57.5m、高さ4.8mもの前方後円墳の赤塚古墳を中心に、3~6世紀の築造と見られる6基の前方後円墳を中心に、川部・高森古墳群(国の史跡)があります。
ヤマト王権と同盟を結んだクニの首長の墓
もともと宇佐平野は、穀倉地帯として古くから栄えた地ですが、赤塚古墳、免ヶ平古墳(めんがひら古墳)、福勝寺古墳などに埋葬されているのは、当時代々このあたりを支配し、後に宇佐八幡宮の社家となる宇佐国造 (うさのくにのみやつこ)一族の首長のものと推測されています。
赤塚古墳では大正10年の発掘で(2人の村人が夜陰に乗じてひそかに発掘、後円部にある箱式石棺の中に5面の青銅鏡を発見)、三角縁神獣鏡4面、三角縁龍虎鏡1面が出土し、椿井大塚山古墳(京都府)、石塚山古墳(福岡県)と同じ鋳型(いがた)を用いて鋳造した中国製とみられる鏡であることから、ヤマト王権が各地の首長に与えたものだと考えられ、宇佐国造 一族という裏付けにもなっています。
つまり、ヤマト王権が畿内から瀬戸内海各地のクニの首長と同盟関係を結び、統一王権を目指してついに九州の首長とも盟友関係になった証ともいえる銅鏡なのです。
駅館川の河岸段丘一帯は遺跡の宝庫で、国史跡の川部・高森古墳群を中心に、遊歩道も整備されて史跡散策が可能。
桜、梅、ショウブ、コスモス、コブシ、ツツジ、ドウダンツツジ、カキツバタ、アジサイ、サルスベリ、藤、萩、ムラサキシキブ、サザンカ、椿なども植栽され、四季折々の花も愛でることができます。
中心施設として、宇佐風土記の丘一帯の出土品、宇佐神宮・国東半島の六郷満山文化を中心に、大分県の歴史・文化を解説する「大分県立歴史博物館」も建っているのであわせて見学を。
川部・高森古墳群(国の史跡)
赤塚古墳=全長57.5m/3世紀末
免ヶ平古墳=全長50m/4世紀、免ヶ平古墳出土品は、国の重要文化財
福勝寺古墳=全長82m/5世紀
車坂古墳=全長58m/5~5世紀
角房古墳=全長46m/4~5世紀
鶴見古墳= 全長31m/6世紀
前方後円墳6基のほか、円墳や周溝墓など100を超す古墳・墓地が集積し、九州では宮崎県の西都原古墳群に続く規模の古墳群になっています。
宇佐風土記の丘 | |
名称 | 宇佐風土記の丘/うさふうどきのおか |
所在地 | 大分県宇佐市高森 |
関連HP | 宇佐市公式ホームページ |
電車・バスで | JR宇佐駅からタクシーで12分 |
ドライブで | 宇佐別府道路宇佐ICから約9.5km |
駐車場 | 140台/無料 |
問い合わせ | 大分県立歴史博物館 TEL:0978-37-2100/FAX:0978-37-2101 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag