平治岳

平治岳

大分県竹田市、標高1791mの中岳、主峰の久住山など1700m級の山並みが続く火山群がくじゅう連山。国の天然記念物に指定されるミヤマキリシマの群落が美しい標高1643.0mの平治岳(ひいじだけ)は、5月下旬から6月中旬の開花期ともなると、登山道にはつづら折となって人波が続きます。

大戸越一帯にはミヤマキリシマの大群落が

環境省の名水百選のひとつ・男池湧水からなど、登山ルートはいくつかありますが、比較的起伏が少なく初心者でも歩きやすいのは、やまなみハイウェイの長者原(ちょうじゃばる)ビジターセンターを起点にしたコース。
ここから盆地のなかにキャンプ場がある坊ガツルまでは徒歩2時間。
さらに大船山(たいせんざん)や印象的な溶岩ドームの黒岳との分岐にあたる大戸越(うとんごし/平治岳と北大船山の鞍部)までは1時間。
大戸越周辺にはミヤマキリシマの大群落があり、記念撮影に絶好の場所。
花が目当ての初心者なら、大戸越で下山してもいいのですが、さらに30分ほどで頂上。
途中南峰斜面からは湿原盆地の坊ガツルと三俣山が一望のもとで、絶好の撮影ポイントになっています。

平治岳への最短ルートは北麓の吉部駐車場を起点とするもので、所要2時間40分。
余力があれば大船山への縦走を。

ちなみに、ミヤマキリシマという名を付けたのは、明治42年、霧島へ新婚旅行に訪れた植物学者・牧野富太郎(「日本の植物学の父」)で、「深い山に咲くツツジ」という意味を込めて深山霧島と名付けられたもの。
火山荒原の優占種で、植物遷移で森林化が進むにつれ、他の木々に変わります。
平治岳も火山で、くじゅう連山で最後の噴火があったといわれる大船山とともに、新しい溶岩流や火山灰の上にミヤマキリシマの群落が広がっているのです。

平治岳
坊ガツルから見上げる平治岳。稜線がピンクに染まっています
平治岳
名称 平治岳/ひいじだけ
所在地 大分県竹田市久住町有氏
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