九州には意外に知られていないのですが阿蘇山以外にも巨大なカルデラ(火山活動で生まれた巨大な凹地)があります。それが加久藤カルデラ。そのカルデラを越えるJR九州の肥薩線には連続する3駅で3つの県が旅できるという場所が。矢岳駅〜真幸駅〜吉松駅ですが、残念ながら令和2年7月豪雨による被害で営業休止中。
肥薩線の3駅で熊本、宮崎、鹿児島の3県を旅する
八代駅(熊本県八代市)と隼人駅(鹿児島県霧島市)を結ぶ肥薩線が舞台となります。
明治42年の全通時には実は鹿児島本線でしたが、その後、海岸沿いに線路が敷かれると、そちらを本線に譲ってローカル線となりました。
沿線には人吉~吉松間のスイッチバックとループ線、篠ノ井線姨捨駅付近からの善光寺平、狩勝峠(旧線は廃止に)と並んで「日本三大車窓」の一つに数えられる矢岳越えなどがあります。今回のテーマである「連続する3駅で3県」は、ずばり、その矢岳越え区間にあります。
矢岳駅(やたけえき/熊本県人吉市矢岳町/明治42年11月21日開業)。矢岳駅は肥薩線の最高所で標高537m
真幸駅(まさきえき/宮崎県えびの市/明治44年5月11日開業)。スイッチバックで高度差を克服しています
吉松駅(よしまつえき/鹿児島県姶良郡湧水町/明治36年9月5日開業)。分岐の吉都線は開業当時は日豊本線でした。つまり当時は鹿児島本線と日豊本線の分岐する駅だったのです
地図をクリックしていただき、スケールを50万分の1くらいに替えていただくとよくわかるのですが、盆地状のえびの市は、実は加久藤カルデラというカルデラの底にあたります。
つまり矢岳駅があるのはその外輪山。矢岳駅→真幸駅→吉松駅は、熊本県→宮崎県→鹿児島県と3県にまたがりながらカルデラ外輪山を下っていることにほかなりません。
ちなみにこの肥薩線は令和2年7月豪雨により、営業休止中。
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