行田市にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)の一基で、6世紀後半に築かれた全長90mの前方後円墳が将軍山古墳。後円部にあった横穴式石室が明治27年に発掘され、馬具や環頭太刀(かんとうたち)などの副葬品が出土しています。下忍村(現・行田市下忍)の増田五左衛門が自宅の庭に石を運ぼうと発掘したという話が残されています。
埋葬者は、須恵国(千葉県富津市の古代の王国)と密な関係が!?
内裏塚古墳群(千葉県富津市)の稲荷山古墳に似ている、富津市内の海岸で採取される砂岩が内裏塚古墳群同様に将軍山古墳でも使われていることから、内裏塚古墳群を築いた須恵国の国王(須恵国造/すえのくにのみやつこ)の盟友関係にあった首長(无邪志国造、武蔵国造/むさしのくにのみやつこ)のものと推測できます。
増田五左衛門が庭石にと考えた石が、実は金谷で産する房州石だったというわけなのです。
6世紀にどうやって内陸まで運んだのかといえば、海から川へ、関東平野の奥深くまで舟運を使いました(当時は今より内陸に海岸線がありました)。
将軍山古墳も一時は埋め立て用に土が削られ荒廃していましたが墳丘と周囲の堀が復原され、墳丘には埴輪の複製品が並んでいます。
将軍山古墳後円部の石室からは、多数の馬具や武器、武具、須恵器、銅鋺(どうわん)などが出土していますが、馬冑の出土は日本では紀伊大谷古墳(和歌山県和歌山市大谷)に次いで2例目という貴重なもの。
ただし保存のため、墳丘は眺めるだけで上ることはできません。
崩落寸前だった墳丘部分はドームで覆われ、「将軍山古墳展示館」として古墳の内部に石室内の再現展示しています。
将軍山古墳 | |
名称 | 将軍山古墳/しょうぐんやまこふん Shogunyama Burial Mound |
所在地 | 埼玉県行田市埼玉 |
関連HP | 行田市ホームページ 埼玉県立さきたま史跡の博物館 |
電車・バスで | JR吹上駅から朝日バス佐間経由行田車庫行きで15分、産業道路下車、徒歩15分。JR北鴻巣駅からさきたま緑道を徒歩1時間 |
ドライブで | 東北自動車道羽生ICから約14km |
駐車場 | さきたま古墳公園駐車場(295台/無料) |
問い合わせ | 行田市観光協会 TEL:048-556-1111/FAX:048-553-5063 埼玉県立さきたま史跡の博物館 TEL:048-559-1111 |
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