埼玉県さいたま市桜区を流れる荒川の河川敷、国の特別天然記念物に指定されたサクラソウの自生地が、田島ヶ原サクラソウ自生地。荒川に架る埼玉県道79号(朝霞蕨線)の秋ヶ瀬橋近くには、サクラソウ自生地を保護するために桜草公園が整備されています。
国の特別天然記念物、荒川河川敷のサクラソウ自生地
田島ヶ原のサクラソウは江戸時代から有名で、徳川家康が浮間ヶ原に鷹狩りに訪れた際、その美しさに惚れ込み、江戸城まで持ち帰ったという伝説が残されているほど。
江戸時代以降のサクラソウの園芸栽培も、荒川のサクラソウをベースにしています。
田島ヶ原サクラソウ自生地は、サクラソウの自生地としては国内唯一の天然記念物指定地で、しかも特別天然記念物。
さいたま市桜区の「桜」も、ソメイヨシノなどではなく、このサクラソウに由来。
16haという広大な敷地に、芝生広場を挟んで2ヶ所の自生地(特別天然記念物の指定地は4.1ha)が保護され、指定地には、サクラソウをはじめ、ノウルシやチョウジソウなどの希少な植物250種も生育しています。
現在、保存されるサクラソウは、100万株。
サクラソウは、3月になると地表に芽を出し、例年3月下旬から咲き始め、4月上旬〜中旬に見頃を迎えます。
6月頃には実を落として枯れ、その後はヨシ原となって、風や太陽から種が守られるのです。
ヨシが枯れると、人手でヨシを払い野焼きが行なわれて、サクラソウの咲く環境が維持されているのです。
毎年4月第3土・日曜には『さくら草まつり』も開催。
注意したいのはサクラソウの開花率で、天然のサクラソウのため、例年開花率は2〜3割。
北海道の公園で植栽されるような、敷地一面にサクラソウの花が咲き乱れることはなく、点在する自然のままのサクラソウを楽しむ仕組みなので、ご注意を(一面に絨毯のように咲くことはありません)。
荒川の河川敷には、下流側から彩湖・道満グリーンパーク、荒川彩湖公園、桜草公園、その上流側に秋ヶ瀬公園と公園が連続しています。
サクラソウは以前には、荒川流域に広く分布していましたが、第2次世界大戦の際の食料増産のために行なわれた河川敷の大規模な開墾、高度成長期における河川敷の開発で、その大部分が姿を消したのです。
徳川家康ゆかりの浮間ヶ原では、東京都北区の浮間公園・浮間ヶ原桜草圃場でサクラソウが保護されています。
埼玉県内で国の特別天然記念物に指定されるのは、田島ヶ原サクラソウ自生地のほか、牛島のフジ(春日部市)、御嶽の鏡岩(みたけのかがみいわ/児玉郡神川町)の3ヶ所のみ。
田島ヶ原サクラソウ自生地(桜草公園) | |
名称 | 田島ヶ原サクラソウ自生地(桜草公園)/たじまがはらさくらそうじせいち(さくらそうこうえん) |
所在地 | 埼玉県さいたま市桜区西堀・関・田島 |
関連HP | さいたま市公式ホームページ |
電車・バスで | JR西浦和駅から徒歩20分 |
ドライブで | 首都高速道路浦和南ICから約2km、浦和北ICから約3.5km |
駐車場 | 57台/無料 |
問い合わせ | さいたま市教育委員会事務局文化財保護課 TEL:048-829-1723/FAX:048-829-1989 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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