多賀大社

多賀大社

『古事記』に「伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)は淡海(=近江)の多賀に坐す」と記された滋賀県多賀町の多賀大社。「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」、「お伊勢七度熊野へ三度 お多賀さまへは月参り」と謳われ、中世から近世にかけては伊勢参り、熊野詣で同様に多賀詣でが庶民に流行しました。

延命長寿のご利益と「お多賀杓子」で有名

多賀大社参詣曼荼羅図
神仏習合時代の『多賀大社参詣曼荼羅』(安土桃山時代)

「お多賀さん」の名で親しまれる多賀大社。
祭神は、 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)の2柱で、「延命長寿・縁結び・厄除け」の神様として信仰を集めています。
創建は定かでありませんが、多賀大社の東、6kmの杉坂峠の三本杉は、伊邪那岐命が高天原から降臨した地とされています。
『古事記』(写本)の「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐すなり」の淡海(近江)は、淡路の誤記ともされ、定かでありません。

中世(室町時代)には神仏習合が進み、神宮寺として不動院(天台宗)が創建されています。
坊人が全国を回り、垂迹曼荼羅(すいじゃくまんだら)で功徳を説き、お札を配って信仰を広めたので、伊勢詣で、熊野詣で(ともに当時は神仏習合で神社ではありません)とともに隆盛を極めたのです。
「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」は、神宮祭神の天照大神が伊邪那岐命・伊邪那美命両神の御子であることに由来。

授与品では、お守りとしてしゃもじを授ける「お多賀杓子」(おたがじゃくし)が有名。
奈良時代、元正天皇(げんしょうてんのう)の病気に際し、多賀大社の神主が強飯(こわめし)を炊き、しでの木で作った杓子を献上、天皇はたちまち治癒されたと伝え、そのしでの木の残りの枝を地に刺したものが現存する飯盛木(いいもりぎ=男飯盛木と女飯盛木が現存)で、杓子は授与品の「お多賀杓子」として今に伝えられています。

太閤橋、奥書院庭園は豊臣秀吉ゆかりのもの

絵馬堂前には、61歳の俊乗坊重源(平安時代末期から鎌倉時代の僧)が東大寺再建のために延命を祈願し、願いが叶い20年の寿命を得たことを記念した「延命石」があります。
豊臣秀吉も多賀大社に篤い信仰を寄せ、境内には太閤橋と呼ばれる石の反り橋が残されています。
ただし造営は、秀吉没後の寛永15年(1638年)のこと。
中央が高くなっているのは、表通りから拝殿が見えないようにする目隠しのためなのだとか。

天正16年、豊臣秀吉は米1万石を寄進し、母である大政所の病気平癒を祈願。
太閤橋や奥書院庭園は、その奉納によって築造されたと伝えられています。

奥書院庭園(国の名勝)は、明治の神仏分離、廃仏毀釈まで多賀大社の神宮寺だった不動院(廃仏毀釈の荒波で廃寺に)の奥書院に附属した、池泉観賞式庭園。
正面奥に不動三尊石を組み鶴亀の出島を配し、枯れ滝の下には力感あふれる石橋を渡しています。

元日の『歳旦祭』(さいたんさい)、1月3日『翁始式』(おきなはじめしき)、2月3日『節分祭』、4月22日『古例大祭』(これいたいさい)、6月上旬『御田植祭』、6月30日『夏越の大祓式』(なごしのおおはらえしき)、8月3日~8月5日『万灯祭』、9月9日の『古例祭』、9月23日の『抜穂祭』(ぬいぼさい)、10月下旬〜11月中旬の『菊花展』など多くの行事が行なわれています。

多賀大社
名称多賀大社/たがたいしゃ
所在地滋賀県犬上郡多賀町多賀604
関連HP多賀大社公式ホームページ
電車・バスで近江鉄道多賀線多賀大社前駅から徒歩10分
ドライブで名神高速道路彦根ICから約5.5km
駐車場300台/無料
問い合わせ多賀大社 TEL:0749-48-1101/FAX:0749-48-1105
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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