八幡山城

八幡城

滋賀県近江八幡市、水郷風景が広がる近江八幡の町並みから見上げるようにそびえているのが標高271.8mの鶴翼山(八幡山)。豊臣秀吉の甥で、豊臣秀次が天正13年(1585年)に築いた八幡山城(近江八幡城)の城跡で、山麓から山頂まで八幡山ロープウェーが通じています。「続日本100名城」選定。

近江八幡を眼下にする豊臣秀次の居城

八幡城

豊臣秀次(築城時は羽柴秀次)は、天正13年(1585年)の紀州攻め、四国征伐で武勲をあげ、論功行賞で近江八幡43万石の得て、安土城から建物を移築するなどして八幡城を構築しています。
豊臣秀吉自身が普請の指揮をとった、まさに天下普請の城で、山麓に豊臣秀次の居館が建てられ、城下町・近江八幡の町割りが行なわれています。

築城当時は鶴翼山(八幡山)の東西に琵琶湖の内湖があり、織田信長の築いた安土城と似た地形に。
八幡城の城下町(現・近江八幡市街)は、天正10年6月2日(1582年6月21日)の本能寺の変で、主の織田信長を失った安土城下町から商人、職人らを呼び寄せ、形成されていきました。
琵琶湖の水を引き入れた八幡堀は、防御機能というよりもむしろ琵琶湖の舟運利用に重きが置かれ、中世的な山城を築きながらも、近世的な側面を有したまさの過渡期の城となっています。

しかも安土城の建つ安土山よりも急峻だったため、山上の本丸は防御的な役割で、山麓の居館が日常的な空間でした。

天正14年(1586年)に豊臣姓となった豊臣秀次は、天正18年(1590年)に尾張国清洲城へ移封され、京極高次が2万8000石で入城しますが、文禄2年(1593年)、豊臣秀吉に嫡男・秀頼が誕生したことで状況が急変、文禄4年(1595年)、謀反の嫌疑をかけられて高野山に蟄居となり、切腹しています。
その結果、築城から10年で八幡山城は廃城となり、城主・京極高次も大津城へ移っています。

鶴翼山(八幡山)の山頂部(南半分)には石段や土塁、礎石が残されているほか八幡城本丸跡には、戦後に京都から移転した豊臣秀次の菩提寺、瑞龍寺(村雲御所)が建っています。

八幡山ロープウェーの山頂駅が二の丸跡で、改札口を出ると眼前に本丸跡の石垣が迫ってきます。
本丸への虎口跡の石垣が瑞龍寺(村雲御所)に現存。
本丸西側の石垣、二の丸、西の丸にも石垣があり、往時を偲ぶことができます。
山頂を一周する遊歩道を歩けば、西の丸跡から琵琶湖や比良山系、北の丸跡から安土城跡や観音寺城跡を遠望可能。

悲運の武将、豊臣秀次は「近江八幡の開町の祖」として、命日の7月15日には瑞龍寺(村雲御所)で『顕彰法要』が執り行なわれています。

八幡城
安土山・安土城、西の湖方面の眺め
八幡城
琵琶湖、比良山を眺望
八幡山城
名称 八幡山城/はちまんやまじょう
所在地 滋賀県近江八幡市宮内町
関連HP 近江八幡観光物産協会公式ホームページ
電車・バスで JR近江八幡駅から近江鉄道バス野ヶ崎行きで5分、小幡町資料館前下車、徒歩7分、さらにロープウェーで山上に
ドライブで 名神高速道路竜王IC、蒲生スマートICから約12km、八幡山ロープウェーを利用
駐車場 20台/無料
問い合わせ 近江八幡駅北口観光案内所 TEL:0748-33-6061
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
八幡山ロープウェー

八幡山ロープウェー

滋賀県近江八幡市(おうみはちまんし)、豊臣秀次が築いた八幡山城(はちまんやまじょう)の城跡や瑞龍寺がある八幡山(標高271.8m/鶴翼山)と山麓(日牟礼八幡宮近く)を結ぶロープウェー。昭和37年に運行が始まった近江鉄道の三線交走式ロープウェ

瑞龍寺(村雲御所)

瑞龍寺(村雲御所)

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