瓢箪山古墳

瓢箪山古墳

近江八幡市安土町にある滋賀県最大の前方後円墳が瓢箪山古墳(ひょうたんやまこふん)。墳丘長162m、4世紀中頃の築造と推定され、滋賀県最大で最古の古墳。琵琶湖の東岸を治めた狭狭城山君(ささきやまぎみ/沙沙貴山君)の墳墓とも、ヤマト王権から派遣された王族ともいわれていますが定かでありません。

出土した副葬品には中国製の鏡も

墳丘長162m、後円部直径90m、高さ18m、前方部幅70m、高さ13mという巨大な前方後円墳で、後円部脇に駐車場があり、そこから古墳に上ることができます。

日本国内には墳丘長200m以上の巨大な前方後円墳が40基もありますが、奈良県や大阪府などに集中し、滋賀県は古墳の数も1000基未満と全国平均レベルの古墳数(古墳数は全国28位)。
この瓢箪山古墳が最古、最大です。

昭和10年に前方部で、地元住民が2個の箱式石棺を発見し、日本古文化研究所によって調査が行なわれています。
その結果、石釧、勾玉、管玉、丸玉、小玉が出土しています。
さらに昭和13年に滋賀県が後円部の3基の竪穴式石室を調査し、石室から鏡、管玉、筒型銅器、刀剣、刀子、銅鏃、鉄鏃、斧、鍬などの副葬品が見つかっています。
発掘された鏡は中国の後漢代から魏代にかけて用いられた虁鳳鏡(きほうきょう)と二神像と四獣像が描かれた二神四獣鏡でともに中国から伝来したもの。
古墳からの出土品は京都大学総合博物館に保管されています。

また、滋賀県立安土城考古博物館には実物大に復元された中央石室の模型と鏡などの遺物の複製品が展示されています。

西の湖近くには弥生時代の遺跡、大中の湖南遺跡(だいなかのこなみいせき)もあり、一帯は古くから拓けた地だということがわかります。

瓢箪山古墳
名称瓢箪山古墳/ひょうたんやまこふん
所在地滋賀県近江八幡市安土町宮津
電車・バスでJR琵琶湖線安土駅から徒歩25分
ドライブで名神高速道路竜王ICから約13km。蒲生スマートICから約9.5km
駐車場10台/無料
問い合わせ安土町観光案内所 TEL:0748-46-4234/FAX:0748-46-4234
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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