雪舟終焉の地といわれる島根県益田市にある臨済宗東福寺派の寺、医光寺。雪舟作庭と伝わる庭園は、雪舟四大庭園のひとつ。南北朝時代の貞治2年・正平8年(1363年)に天台宗の崇観寺(すうかんじ)として創建。文明年間(1469年~1487年)には、画聖・雪舟が第7世住職として移って塔頭・医光寺に名園を築いています。
雪舟が築いた蓬莱山水庭園
益田氏6代・益田兼弘の保護を受けて栄え、薬師如来を本尊に、益田氏の菩提寺として崇敬が厚かったとか。
医光寺はその塔頭(たっちゅう=子院)でしたが、戦国時代に崇観寺が荒廃し、天文年間(1532年~1555年)に益田氏17代・益田宗兼が塔頭・医光寺を再興、以降は医光寺が継承寺院となったもの。
雪舟庭園は、益田兼堯の招きで文明10年(1478年)頃に雪舟が益田を訪れ、作庭したと伝わる西南向きの池泉鑑賞半回遊式。
枯滝(かれたき)石組の上方に須弥山石を、鶴池に亀島を配置し、対岸に鶴石組をもつ中国の神仙思想(東の海上に仙人が住む仙境があるとする不老長寿を希求する思想)の影響を受けた蓬莱山水庭園(ほうらいさんすいていえん)。
裏山を借景に奥へ奥へと展開する手法は、雪舟画を彷彿させます。
国の史跡および名勝に指定。
春の枝垂れ桜、5月のツツジ、初夏の新緑が実に見事です。
総門は関ヶ原合戦後に七尾城の大手門を移築し、黄檗(おうばく)宗寺院の山門にみられる龍宮造りに直したもの。
西800mほどのところには益田氏菩提寺の萬福寺(まんぷくじ)があり、雪舟が築いた大規模な庭園が残されています。
また、益田駅の北3kmほどの場所に雪舟が最晩年を過ごした東光寺(とうこうじ)跡に建つ大喜庵(たいきあん)があります。
医光寺 | |
名称 | 医光寺/いこうじ |
所在地 | 島根県益田市染羽町4-29 |
電車・バスで | JR益田駅から石見交通バス医光寺行きで15分、終点下車 |
ドライブで | 中国自動車道六日市ICから約60km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 医光寺 TEL:0856-22-1668 |
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