吐月峰柴屋寺

吐月峰柴屋寺

静岡県静岡市駿河区丸子にある臨済宗妙心寺派の寺、吐月峰柴屋寺(とげっぽうさいおくじ)。今川氏に仕えた連歌師・宗長(そうちょう)ゆかりの寺で、東海道鞠子宿(まりこしゅく)から見上げる丸子富士を巧みに取り入れた借景式の庭園は、国の名勝になっています。

東海道鞠子宿にある名刹

吐月峰柴屋寺

街道時代、東上する諸大名や旅人が安倍川の川止めでの滞留、宇津ノ谷峠越え前後の休泊で栄えたという鞠子宿。
東海道線が開通した後、国道1号もバイパス化され、鞠子宿から岡部宿までの旧東海道は、奇跡的に街道時代の静けさが残されています。
丁子屋のとろろ飯と並ぶ鞠子宿の名物のひとつが、吐月峰柴屋寺の灰吹き(はいふき)。
タバコの吸い殻を吹き落とすための竹筒が灰吹きで、別名を吐月峰と呼ぶのは、この寺で産したから。
吐月峰柴屋寺周辺の竹が灰吹きにもっとも適することから、授与品として伝えられたもの。

吐月峰柴屋寺は、臨済宗妙心寺派の寺で、駿河国守護・今川義忠(いまがわよしただ=今川家6代・今川義元の祖父)にも仕えた連歌師・宗長が永正元年(1504年)に結んだ草庵「柴屋軒」が始まり。
今川家9代の今川氏親(いまがわうじちか=今川義元の父)が草庵を寺に改めています。

名月を眺めることでも有名な庭園は、京の銀閣寺の庭園を模したもので借景として欠くことのできない天柱山をも含めて国の名勝・史跡。
園内の東山に植えられた竹の先から、ちょうど吐き出されたように月が浮かぶことから吐月峰と呼ばれ、中秋の名月には観月会も行なわれています。

ちなみに「急がば回れ」ということわざは、宗長の歌『武士もののふのやばせの舟は早くとも急がば廻れ瀬田の長橋』に由来します。

吐月峰柴屋寺
吐月峰柴屋寺
名称 吐月峰柴屋寺/とげっぽうさいおくじ
所在地 静岡県静岡市駿河区丸子3316
関連HP するが企画観光局公式ホームページ
電車・バスで JR静岡駅から静鉄バス藤枝駅行きで25分、吐月峰入口下車、徒歩10分
ドライブで 東名高速道路静岡ICから約7km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 吐月峰柴屋寺 TEL:054-259-3686/FAX:054-256-1776
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
丁子屋

丁子屋

静岡県静岡市駿河区丸子、東海道丸子宿(まりこしゅく=鞠子宿)で、慶長元年(1596年)創業の老舗が、丁子屋(ちょうじや)。歌川広重の『東海道五十三次』にも描かれる宿場名物のとろろ汁は松尾芭蕉の句(梅若菜丸子の宿のとろろ汁/『猿蓑巻の五』)や

 

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