秋葉総本殿可睡斎、法多山尊永寺とともに遠州三山(えんしゅうさんざん)のひとつで目の霊山として有名なのが袋井市にある油山寺(ゆさんじ)。正式名は醫王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)。寺伝によれば大宝元年(701年)、行基開山という真言宗の古刹です。
遠州三山のひとつで目の病や諸病全快のご利益が大!
シイの森に囲まれた参道正面の山門は、万治2年(1659年)築という掛川城の大手二之門を移築したもの。
本堂内の厨子(室町時代)や「桃山時代の三名塔」である三重塔とともに、国の重要文化財になっています。
山門の先には「るりの滝」が懸り、天平勝宝元年(749年)、孝謙天皇(こうけんてんのう)が、このるりの滝の滝水で眼を洗ったところ、眼病が治ったということから、目の病や諸病全快のご利益があるといわれています。
昔この滝から油が湧き出ていたことから、油山寺の名がついたもの。
山頂にある薬師本堂には、秘仏である本尊の薬師如来を納めた厨子、油山寺の守護神である軍善坊大権現が祀られています。
一山の守護神「軍善坊大権現」(ぐんぜんぼうだいごんげん)は天狗の姿をした足腰の神様。
東海道を往来する旅人の信仰を集めてきました。
徳川家康も軍善坊大権現に祈願したところ、三尺二寸の吊り鐘を渡され、溶かして鉄砲をつくったところ、見事武田軍を撃破したと伝えられています。
方丈と書院は静岡県の文化財。
平成25年再建の宝生殿には、四天王・十三仏戒壇めぐりが用意されています。
霊山のイメージが強い油山寺。
一帯は天狗谷と呼ばれる見事なシイの森ですが、天狗の正体は森に住むムササビと想像されています。
桃山時代の三名塔
桃山時代の三名塔とは、慶長2年(1597年)建立の長命寺(滋賀県近江八幡市)、慶長9年(1604年)建立の京都府大山崎町の宝積寺(ほうしゃくじ)、そして油山寺。油山寺の三重塔は、天正2年(1574年)に着工したものの、途中で工事が中断し、慶長16年(1611年)に完成しています。
油山寺 | |
名称 | 油山寺/ゆさんじ Yusanji Temple |
所在地 | 静岡県袋井市村松1 |
関連HP | 醫王山薬王院油山寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR袋井駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 東名高速道路袋井ICから約5.3km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 油山寺 TEL:0538-42-3633/FAX:0538-42-4223 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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