東京都西多摩郡奥多摩町、奥多摩湖のある小河内(おごうち)地区と奥多摩駅(氷川地区)を結ぶ、全長9kmの歩道が、奥多摩むかし道。明治以前には、氷川~小河内~小菅~大菩薩峠~甲府というコースで、甲州街道の裏街道の役目も果たしていた、旧青梅街道の一部です。
旧青梅街道がハイキングコースに変身
もともと小菅から大菩薩峠を越えて甲府に至る甲州裏街道の一部で、山岳ルートながら甲州街道よりも8kmほど距離が短いという利点がありました。
奥多摩むかし道としてハイキングコースになっている旧青梅街道の開通は、明治11年で、柳沢峠を越えて塩山(現・山梨県甲州市)と結ばれまていました。
小河内~氷川間は、約14kmの険しい山道の連続で、当時、小河内の物資は、距離約20kmと少し遠くても、道筋が安全な五日市へと運ばれることが多かったのです。
明治32年の大改修で、旧青梅街道が現在、奥多摩屈指の人気ハイキングコース「奥多摩むかし道」となっているルートになり、以降はおもに木炭など小河内の物資を氷川に運ぶ生活路として活躍しました。
明治32年、小河内(現在の奥多摩湖)と氷川(奥多摩駅のある集落)の間が改修され、平坦に山腹を通る道となり、全長も10kmに4kmも短縮。
木炭の生産・運搬が増加しています(それまで小河内の生活物資は五日市から搬入していましたが、以降は氷川が交易ルートとなりました)。
その後も改修が続き現在のような生活の道となったのは大正時代〜昭和初期にかけてのこと。
つまり、むかし道というのは、昭和初期の青梅街道歩きということに。
小河内ダム寄りは昔のままの山道、奥多摩駅側は生活道路に
奥多摩むかし道(旧青梅街道)は、路線バス(西東京バス)が走る青梅街道と交差するポイントもあるので、途中からバス利用にすることも可能。
一部は車での走行もできますが、道幅が狭いので車の場合は運転には充分注意を(車で通行できない山道部分もあります)。
小河内~氷川を結ぶ旧青梅街道は、かつては馬の背に荷を積む山村の生活ルートで、コース前半の水根バス停〜惣岳渓谷(そうがくけいこく)は、大正時代〜昭和初期とさほど変わらない状況。
とくに水根集落~浅間神社間は、街道というよりは「登山道」といった感じなので、ハイキング程度の装備は必要です。
急な斜面の沢には小さな滝が落ち、頭上には崩れ落ちそうな巨岩が迫る山岳地帯を歩くことになります(落石の危険ポイントも多数あるので、ファミリーの場合は子供と離れないように注意が必要)。
コース途中で、廃線跡を眺めますが、東京都水道局小河内線(水根貨物線)の遺構で、小河内ダムの建設用資材輸送用に東京都水道局が敷設・管理した貨物線。
小河内ダム完成後に、西武鉄道(奥多摩湖周辺の観光開発を計画)、さらに奥多摩工業へ譲渡されています。
奥多摩むかし道 コースタイム
奥多摩湖バス停(奥多摩水と緑のふれあい館)〜(200m・3分)〜水根バス停〜(900m・16分)〜青目立不動尊〜(950m・35分/落石注意)〜浅間神社〜(950m・25分/急坂・迷いやすい場所あり)〜西久保切り返し(近くにトイレあり)〜(750m・13分)〜道所吊橋〜(950m・16分)〜しだくら吊橋〜(270m・5分)〜惣岳不動尊〜(600m・10分)〜いろは楓の巨樹〜(1160m・22分)〜不動の上滝〜(800m・15分/舗装道路)〜桧村(集落内に分岐あり)〜(1000m・17分/舗装道路)〜槐木(さいかちぎ)〜(850m・20分/急な坂道・石畳あり)〜奥多摩むかし道入口〜(450m・7分/市街地・奥氷川神社・奥多摩ビジターセンター)〜奥多摩駅
距離:9.4km
歩行時間:3時間30分
プランニングにあたって
プランとしては、往路を奥多摩湖までバス(奥多摩駅〜奥多摩湖/西東京バス丹波山村役場・鴨沢西・峰谷行きで15分)を利用し、下山してから奥多摩ビジターセンターに立ち寄るのがおすすめです。
飲み物、弁当などは持参を。
水と緑のふれあい館レストランで「小河内ダムカレー」を味わうのも可能です(休館日に注意)。
ハイキング程度の装備は必要。
ファミリーの場合は道の屈曲点などで間違える場合もあるので、子供と別れ別れにならないように(遊歩道ではありません。遭難、事故の危険性があります)。
奥多摩むかし道 | |
名称 | 奥多摩むかし道/おくたまむかしみち |
所在地 | 東京都西多摩郡奥多摩町 |
関連HP | 奥多摩観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR奥多摩駅から西東京バス奥多摩湖方面行きで18分、奥多摩湖下車 |
ドライブで | 圏央道青梅ICから約33kmで奥多摩湖 |
駐車場 | 水根駐車場(50台/無料)、ふれあい館隣接駐車場(65台/無料)、大麦代園地駐車場(100台/無料)など奥多摩湖駐車場を利用 |
問い合わせ | 奥多摩町観光案内所 TEL:0428-83-2152/FAX:0428-83-2789 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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