昌平橋駅跡

わずか4年ほどですが、中央本線御茶ノ水駅の神田寄り、昌平橋のたもとに昌平橋駅が開業していました。1年間は、名古屋〜東京を結んだ中央本線の起点駅にもなっているのです。今では駅舎の雰囲気はありませんが、往時のレンガ造りの高架が現存しています。

明治末のレンガ造りの高架下はレストラン街に

昌平橋駅跡

明治41年4月19日、甲武鉄道(現在の中央本線)の万世橋駅への延伸(御茶ノ水駅から0.3マイル=0.48km)で、昌平橋駅(昌平橋停車場)が延伸工事途中ながら開設され、明治44年5月1日には、中央本線の全通(塩尻まで=中央東線、塩尻から中央西線)で、昌平橋駅が一時的に、中央本線の起点駅となりました。

明治45年4月1日に万世橋駅までの0.2マイル(0.32km)が延伸開業して、仮駅の昌平橋駅は廃止となりました。わずか4年ですが、昌平橋に国鉄の駅があったのです。現在、駅の部分は、イギリス積みレンガの紅梅河岸高架橋となっています。紅梅河岸(こうばいがし)という名称は、かつて、この付近に紅梅の咲く河岸(かし=船着場)があったことに由来します。

現在、紅梅河岸高架橋下は、聚楽経営の「CAVE BAR 紅梅河岸」などのレストラン街となっています。

昌平橋駅跡
現在はレンガとアーチを活かしたレストラン街になっています
昌平橋駅開業当時の路線図
昌平橋駅開業当時の路線図
昌平橋駅跡
名称 昌平橋駅跡/しょうへいばしえきあと
所在地 東京都千代田区神田淡路町2-9
電車・バスで JR御茶ノ水駅から徒歩3分。JR秋葉原駅から徒歩8分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

昌平橋

神田川に架かる橋。江戸時代には上流の水道橋まで橋はなく、駿河台と本郷台は深い峡谷だったため、この橋は神田川を渡る重要な橋になっていました。現在の橋は大正時代架橋のコンクリートアーチ橋。照明なども往時のままに復元され、千代田区景観まちづくり重

昌平坂

湯島聖堂との間、千代田区と文京区の境界線上にある坂が昌平坂。昌平の名は、紀元前552年9月28日、孔子(こうし)が生まれた魯国昌平郷(現・中国山東省曲阜県の東南)に由来。孔子廟(湯島聖堂)が上野から湯島に移されてから付いた坂の名といえます。

北斎&広重 浮世絵に描かれた湯島聖堂・神田川

御茶ノ水駅から、ニコライ堂と湯島聖堂、2つの聖堂を結ぶ聖橋を渡ると、湯島聖堂。御茶ノ水と湯島は隣接していたことに改めて気づきますが、そんな湯島の端に建つのが、江戸幕府が昌平坂学問所を設置した、湯島聖堂です。脇を流れる神田川、見事な峡谷をつく

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ