水元公園

水元公園

東京都葛飾区と埼玉県三郷市にまたがる東京都内で唯一水郷の景観を有するのどかな公園。昭和25年に都立江戸川水郷自然公園に指定された場所で、小合溜(こあいためい)に沿って造られ、小合溜から引いた大小の水路が園内を走り、水郷景観を創出しています。メタセコイアの森、ハンノキなど水辺に強い樹木が茂る緑陰も夏場には涼しげ。

江戸時代、江戸の町の水害防止で誕生した溜池周辺が水郷に

東京都葛飾区と埼玉県三郷市との県境に位置する池、小合溜。
江戸時代に築かれた河川を塞いだ人工の溜池「溜井」(ためい)のひとつ。
もともとは、古利根川(中川)の一部でしたが、享保14年(1729年)、徳川吉宗の命により、江戸の町を洪水から守るため、紀州藩出身の井沢弥惣兵衛が遊水地として造成したものです。
東葛西領の50郷に水を供給したその元という意味で水元と呼ばれるように(明治22年に水元村誕生)。
ただし、葛飾区は西側の中川からポンプで小合溜に導水しているので、小合溜は河川法上では準用河川になっています。

そんな治水事業として誕生した小合溜ですが、目下、葛飾区と三郷市(池の中央に県境をと主張)では県境を巡って、対立し、今も県境未確定区域となっています。

運が良ければカワセミを観察することも!

水元公園
運が良ければ水元かわせみの里でカワセミも観察できます

治水工事でできた堤・桜土手(全長3.5kmにわたって桜のトンネルがあります)と小合溜(旧古利根川)にはさまれた河川敷が公園の大部分で、公園面積は92haという都内屈指の面積を誇っています。
都内最大規模の菖蒲田もあり、「東京の水郷」と呼ばれています。
ハナショウブは100品種20万本が植栽され、例年6月上旬〜6月下旬が見頃。

メタセコイア、ポプラも水に強く、水辺のポプラ並木(1.2km)、メタセコイアの森(1800本)が絶好の被写体となっています。
アサザ・オニバス自生地(水産試験場跡地/水生植物の保存展示)、葛飾区金魚展示場(江戸前金魚と呼ばれる江戸茜・江戸錦など24種類約1000匹の金魚を飼育展示)、水元かわせみの里(葛飾区営の水元小合溜水質浄化センター/水辺のふれあいルームからカワセミを観察可能)、野鳥観察舎、冒険広場、せせらぎ広場(夏期に水遊びが楽しめます)、野外ステージもあって、ファミリーでのんびりと過ごすのにも最適です。

バーベキュー広場(完全予約制)、ドッグラン、青少年の教育・訓練に限定されますがデイキャンプ(5月~10月)、宿泊(7月〜10月)もできるキャンプ広場、そば・うどんが味わえる「水元公園 涼亭」、売店「グリーンテラス水元」、水元BBQショップなども整備されています。

水元公園
名称水元公園/みずもとこうえん
所在地東京都葛飾区水元公園3-2
関連HP東京都公園協会公式ホームページ
電車・バスでJR・東京メトロ金町駅から京成バス戸ヶ崎操車場、または西水元三丁目行きで水元公園下車、徒歩7分
ドライブで東京外環自動車道三郷南ICから約3.5km
駐車場311台/有料
問い合わせ水元公園サービスセンター TEL:03-3607-8321
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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