東京都葛飾区と埼玉県三郷市との県境に位置する中川(古利根川)の一部となる池が小合溜(こあいだめ)。農業用のため池、そして遊水池として築かれた池で、越水防止の堤が、水元さくら堤(桜土手)。葛飾区の水元公園横に桜並木が続いています。
小合溜井の堤に見事な桜並木が
享保14年(1729年)、8代将軍・徳川吉宗の命で(享保の改革)、見沼代用水の開削、見沼干拓(見沼田んぼの開拓)などに手腕を発揮した紀州藩の井沢弥惣兵衛(いざわやそべえ)が、猿ヶ俣で東流し、江戸川に合流していた古利根川が締め切って、小合溜井を築いています。
もともと葛飾には東葛西領新宿と西葛西領亀有の間を流れる中川をせき止めてつくった亀有溜井がありましたが、享保14年(1729年)には、亀有溜井を廃止、新しく小合溜井を築いたのです。
安永6年(1777年)には小合溜井の囲堤が完成していますが、これが現存する水元さくら堤(桜土手)で、桜を植えれば洪水シーズンを前にして花見の際に踏み固められることから、築造時に桜(当時はヤマザクラ)が植栽されたと推定されています。
昭和22年のカスリーン台風でかつての桜はすべて枯れ、現在の桜は昭和47年から東京葛飾ライオンズクラブが植樹したもの。
在はソメイヨシノ、オオシマザクラ、ヤエザクラなど780本が3.5kmにわたって植栽され、見事な桜並木を形成しています。
水元さくら堤の名は、昭和61年4月に一般公募で決められたもの。
水元さくら堤の西側には江戸時代に築かれた桜土手の面影を保全する「水元さくら堤自然保護区域」があり、都内で唯一のフジバカマの自生地があります。
水元さくら堤(桜土手) | |
名称 | 水元さくら堤(桜土手)/みずもとさくらつつみ(さくらどて) |
所在地 | 東京都葛飾区東金町〜西水元 |
電車・バスで | JR・東京メトロ金町駅から京成バス戸ヶ崎操車場、または西水元三丁目行きで水元公園下車、徒歩7分 |
ドライブで | 東京外環自動車道三郷南ICから約3.5km |
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