錦帯橋

錦帯橋(きんたいきょう)は、1673(延宝元)年、3代岩国藩主・吉川広嘉(きっかわひろよし)の命により築かれた5連アーチ型の木橋。杭州の西湖にある「錦帯橋」をモデルに架けられたという。猿橋(山梨県大月市)、祖谷のかずら橋(三好市)と並び日本三奇橋にも数えられています。現在の橋は平成16年架橋の4代目。国の名勝にも指定。

杭州の西湖の6連アーチ橋をヒントに、江戸時代初期に架橋

3代岩国藩主・吉川広嘉は、城下町と岩国城をつなぐ永久橋の架橋に尽力。
大工の児玉九郎右衛門を甲州に派遣し、橋脚がない猿橋を調査しますが、川の幅が6倍以上の錦川には困難と判断。
1661(万治4)年から翌年に岩国藩に招聘した明の帰化僧で臨済宗黄檗派・独立性易(どくりゅうしょうえき)から教えられた杭州の西湖の6連アーチ橋をヒントに、錦帯橋を架橋します。

1673(延宝元)年架橋の初代の錦帯橋は、翌年の洪水で流失しましたが、当時の築城技術と木組の技法を駆使して再建され、以来長きにわたり、岩国・錦川のシンボルとして美しい姿を見せてきました。
江戸時代には木製のアーチ橋(第二、第三、第四橋)は、ほぼ20年ごとに架け替えられていました。

しかし、昭和25年の台風による大洪水で流失。昭和28年に3代目が建造されましたが、平成13年から平成の「架替事業」が始まり、平成16年3月に4代目が完成。
その後、平成17年にも台風で橋杭2本が流失しましたが、翌年復旧。

当時使われた木材は松、檜、欅、ヒバなど風雨に耐える赤身材で、中央の3橋は釘を一本も使わず、木を組み合わせることと、橋台を石垣にすることで、構造的にも優れたものとなっています。
現在も補修の際の設計や測量はすべて尺貫法で行なわれ、岩国市では橋の木材確保のため、植林活動も実施。

また6月〜8月には、橋の周辺で鵜飼いも行なわれています。
22:00まで、ライトアップも実施。

広重の描いた錦帯橋

歌川広重晩年の1853(嘉永6)年〜1856(安政3)年に制作された『六十余州名所図会』(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)。
五畿七道の68ヶ国及び江戸からそれぞれ1枚ずつの名所絵69枚に、目録1枚を加えた全70枚からなる名所図会で、いわば、日本の名所69選といった感じ。
周防(すおう=現・山口県)を描いた1枚が『岩国 錦帯橋』です。

広重初代『六十余州名所図会 周防 岩国錦帯橋』
錦帯橋
名称錦帯橋/きんたいきょう
所在地山口県岩国市岩国1・横山2
関連HP錦帯橋・岩国市公式ホームページ
電車・バスでJR岩国駅から市営バス錦帯橋・新岩国方面行きで20分、錦帯橋バスセンター下車
ドライブで山陽自動車道岩国ICから国道2号に出て大竹方面へ4km、岩国トンネルの手前を右折して600mで駐車場
駐車場下河原駐車場(500台/無料、3月~5月と9月~11月の土・日曜、祝日は有料)、河川増水時は使用不可、ロープウェイ駐車場(65台)利用
問い合わせ岩国市錦帯橋課 TEL:0827-29-5107
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三奇橋

日本三奇橋とは!? その奇抜さに脱帽!

山あり谷ありの日本列島にはたくさんの橋がかかっていますが、歴史的に日本三奇橋といわれるのは、甲州(現・山梨県大月市)の猿橋、防州・岩国(山口県岩国市)の錦帯橋、越中新川郡(富山県黒部市)の愛本橋。愛本橋は現存しないため、その代りに日光の神橋

日本三名橋

日本三名橋とは!?

日本三名橋に関しては諸説あり、選者も定かでありません。一般的に東京都中央区の日本橋、山口県岩国市の錦帯橋、そして長崎県長崎市の眼鏡橋と江戸時代に架橋された3つの橋が三名橋とされています。日本橋の代わりに二重橋(東京都)とする説もありますが、

錦川水の祭典月間

第55回錦川水の祭典月間|岩国市|2024

2024年8月1日(木)〜8月31日(土)、山口県岩国市の錦帯橋周辺で『第55回錦川水の祭典月間』が開催。錦川の豊かな恵みに感謝する祭で、水恩感謝祭(錦川水神社)に始まり、岩国太鼓、鉄砲隊演武などが行なわれ、日時限定で錦帯橋下河原でミニ花火

錦帯橋

日本三名橋・錦帯橋はなぜ渡りづらい太鼓橋になっている!?

山口県岩国市の錦川に架橋される錦帯橋(きんたいきょう)。絵になる橋として有名で、世界文化遺産登録を目指す名橋です。5連の木造アーチ橋ですが、寺社の参道に架けられる太鼓橋のように、歩く部分がアーチ状になっていて渡りづらい橋に。どうして渡りづら

西岩国駅

西岩国駅

山口県岩国市にあるJR岩徳線(岩国駅〜徳山駅)の駅。昭和4年4月5日に岩徳線の始発駅、岩国駅として開業(それまでの山陽本線岩国駅はこの時麻里布駅に改称)。昭和17年4月1日に 西岩国駅に改称しています(麻里布駅を再び岩国駅へ改称)。現存する

岩国藩鉄砲隊初放し(岩国市)

岩国藩鉄砲隊初放し|岩国市|2025

2025年1月1日(水・祝)13:30頃〜、山口県岩国市で恒例の『岩国藩鉄砲隊初放し』を開催。石田三成が興した石田流の流れを汲む岩国藩鉄砲隊が錦帯橋下河原で初撃ちを行なうもの(雨天中止)。岩国藩鉄砲隊は、岩国藩初代藩主・吉川広家が設立したも

神橋

神橋

栃木県日光市、日光山内の入口、大谷川(だいやがわ)に架けられた朱塗りの木橋が神橋(しんきょう)で、幅6m、長さ26.42m、水面からの高さは10.6m。その昔、日光開山の勝道上人(しょうどうしょうにん)が日光を訪れた時、大谷川の急流に行く手

猿橋

山梨県大月市を流れる桂川に架かる全長30.9m、幅3.3m、谷からの高さ31mの木造橋が猿橋。愛本橋(現存せず)、岩国の錦帯橋とともに、日本三奇橋に数えられています(祖谷のかずら橋、日光・神橋を加える場合も)。橋脚を使わず、両岸から張り出し

祖谷のかずら橋

徳島県三好市、吉野川の支流、祖谷川(いやがわ)に架かる祖谷のかずら橋は、長さ45m、幅2mのシラクチカズラで作られた吊り橋。山梨県大月市の桂川に架かる猿橋、山口県岩国市の錦川に架かる錦帯橋に並び「日本三奇橋」のひとつ。橋を渡るために訪れる人

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ