山形県内には230もの滝(落差5m以上)があり、滝の数では日本一。全国に2488ヶ所ある(平成元年、環境省の自然環境保全基礎調査)といわれる滝のうち1割が集中することに。山形県では「日本一の滝王国 山形」をPRしています。そんな山形県から代表的な20瀑を、到達レベル別に紹介。
お手軽篇|船上から駐車場近くから観賞
須賀の滝|鶴岡市
所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒33
落差:20m
形態:直瀑/江戸時代につくられた人工の滝
内容:承応3年(1654年)、出羽三山中興の祖といわれる天宥(てんゆう)が山中に堰を巡らせ、8kmほど離れた水呑沢から導水した水を落とした人工の滝で、明治初年の神仏分離以前には不動の滝と呼ばれていました。
出羽三山の水垢離(みずごり)の滝。
元禄2年6月3日(1689年7月19日)、出羽三山に参詣の芭蕉も観賞しています。
亀の滝|鶴岡市
所在地:山形県鶴岡市越中山
落差:25m
形態:段瀑
内容:国道112号の道の駅「月山」に車を入れれば、脇を流れる梵字川の対岸に亀滝を眺望。
吊橋で滝近くまでアプローチできます。
白糸の滝|戸沢村
所在地:山形県最上郡戸沢村古口
落差:124m
形態:段瀑
内容:元禄2年6月3日(1689年7月19日)、雨で増水する滝を最上川舟下りの芭蕉が船上から滝を観賞し、「白糸の滝は青葉の隙々(ひまひま)に落ちて、仙人堂、岸に臨みて立つ。水みなぎって舟危(あやふ)し」と記しています。
「日本の滝百選」選定。
現在も最上川芭蕉ラインの船上から観賞できます。
白銀の滝|尾花沢市
所在地:山形県尾花沢市銀山温泉地内
落差:22m
形態:分岐滝
内容:江戸時代に銀鉱山の発掘で温泉が湧いたという銀山温泉にある滝。
旅館街から散策がてら探勝できる滝です。
くぐり滝|南陽市
所在地:山形県南陽市小滝
落差:14m(上段5m、下段9m)
形態:段瀑
内容:上段の滝が高さ5m、幅4.6mの岩穴から水が流れ出るという奇観になっていて、それが滝の名の由来に。
くぐり滝周辺は米沢藩の藩政時代から、水源涵養保安林に。
関山大滝
所在地:山形県東根市関山大滝
落差:10m
形態:直瀑
内容:仙台市と山形市を結ぶ国道48号沿い、乱川に懸かる滝。
「大滝ドライブイン 泉や」が営業し、窓際の席なら滝を眺めながらの食事が可能。
初級|片道約30分以内のハイキングで観賞
十二滝|酒田市
所在地:山形県酒田市北俣奥山地内
形態:瀑布群
内容:日本海の海底での火山活動で流出した溶岩流に落ちる滝で、鳥海山・飛島ジオパークのジオサイト。
二ノ滝(遊佐町)、玉簾の滝(酒田市)とともに庄内三名瀑(飽海三名瀑)
玉簾の滝|酒田市
所在地:山形県酒田市升田大森
落差:63m
形態:直瀑
内容:山形県最大の直瀑で、地質的には海底火山の痕跡ということから鳥海山・飛島ジオパークのジオサイトになっています。
玉簾の滝(たますだれのたき)への途中、御瀧神社裏側にある不動の滝(落差15m)は、「開運出世の滝」として受験生、新入社員に人気です。
庄内三名瀑(飽海三名瀑)のひとつ。
七ツ滝|鶴岡市
所在地:山形県鶴岡市田麦俣
落差:90m(上段50m、下段40m)
形態:段瀑
内容:「日本の滝百選」選定の美しい滝。
湯殿山への参詣道として栄えた六十里越街道沿い、田麦俣にあり、国道112号(旧道)沿いの七ツ滝公園から観賞できます。
二ノ滝|遊佐町
所在地:山形県飽海郡遊佐町吉出
落差:25m
形態:直瀑
内容:鳥海火山の10万年前の噴火時に流れ出した硬い安山岩の溶岩流(南ノコマイ溶岩)に懸かる滝で、鳥海山・飛島ジオパークのジオサイト。
庄内三名瀑(飽海三名瀑)のひとつ。
胴腹滝|遊佐町
所在地:山形県飽海郡遊佐町吉出
落差:3m
形態:湧水
内容:山形県道60号(酒田遊佐線)の駐車場から10分ほどで探勝できる滝で、滝の湧水は、名水として水汲みスポットとしても大人気。
近くには二ノ滝もあるので、合わせての観瀑がおすすめ。
二ノ滝とともに、鳥海山・飛島ジオパークのジオサイトに。
萱滝|上山市
所在地:山形県上山市菖蒲
落差:25m
形態:段瀑
内容:山形県道263号(萱平河崎線)の終点近く、萱滝遊園にある秘瀑。
萱滝遊園から滝壺に一部ロープを頼りに下る道があり、アプローチは慎重に(入山前に地元への確認が必要)。
近くの古屋敷村は、映画『ニッポン国 古屋敷村』の舞台です。
白布大滝|米沢市
所在地:山形県米沢市関
落差:30m
形態:段瀑
内容:山形県道2号米沢猪苗代線(西吾妻スカイバレー)沿い、白布温泉脇を流れる大樽川の上流にかかる滝。
白布温泉から散策がてら探勝可能。
最上川源流・火焔滝|米沢市
所在地:山形県米沢市李山
落差:40m
形態:段瀑
内容:最上川源流に懸かる火焔滝(ひのほえのたき)、米沢藩9代藩主・上杉治憲(うえすぎはるのり=上杉鷹山)も観賞した名瀑です。
大平温泉「滝見屋」は、火焔滝を眺めることが宿名の由来で、内風呂からも滝を眺めることができます。
林道奥の駐車スペースから20分ほど歩いて到達(大平温泉の駐車場からは徒歩40分)。
天元台高原のパノラマ展望台近くには遠望できる観瀑台(火焔の滝展望台)があります。
上級篇
浄の滝
所在地:山形県最上郡戸沢村角川
落差:65m
形態:段瀑
内容:出羽三山詣での人々が穢(けがれ)を祓う禊(みそぎ)の滝、修験の滝として利用したと伝えられる秘瀑。
人里離れた山奥なので、探勝にはそれなりの準備が必要。
雪解けの6月中旬頃からアプローチ可能ですが、6月には滝下に雪渓も残る深山幽谷なので、軽い気分での入山は厳禁です。
まぼろしの滝群|鮭川村
所在地:山形県鮭川村大芦沢
落差:100m(大滝、2段)
形態:瀑布群
内容:平成5年、村の有志が山中に滝があるという噂を耳にして、半信半疑で調査に向かったところ、見事な瀑布群を発見し、それまでのいきさつから「まぼろしの滝群」と命名。
沢歩きの経験者向けのコースです。
竜門滝|西川町
所在地:山形県西村山郡西川町
落差:20m
形態:段瀑
内容:日連峰の竜門山(1688m)、大朝日岳(1870.7m)への登山口となる日暮沢小屋(避難小屋)の横を流れる根子川の上流部に懸かる滝。
滝近くまで林道が伸びていますが、滝全貌を見るポイントへのアプローチ方法がかなり困難。
滑川大滝|米沢市
所在地:山形県米沢市大沢
落差:80m
形態:分岐瀑
内容:「日本の滝100選」に選定される山形を代表する巨瀑。
滑川温泉より東大巓へ向かう登山道を30分ほど登った尾根の上に滑川大滝展望台がありますが、滑川温泉の吊橋が老朽化により通行禁止。
代替登山道として姥湯温泉からの登山道(滑川大滝まで約2時間40分)を利用することになります。
番外篇
梅花皮の滝
所在地:山形県西置賜郡小国町
落差:270m(7段)
形態:段瀑
内容:飯豊山中に落ちる、7段、総落差270m(称名滝に次ぐ国内第2の落差)という巨瀑が梅花皮の滝(かいらぎのたき)。
滝への到達は困難で、飯豊山荘から徒歩3時間ほどの梶川尾根にある滝見場から眺望を。
滝見場からは、石転び雪渓と梅花皮の滝の両方を眺めることができます。
(雪渓の量が多く、かつ天狗平までの通行が解除された年に限り、5月下旬〜6月上旬頃に近づくことが可能になる幻の大滝/熟達者向け、一般の入山は不可)
観音滝|上山市
所在地:山形県上山市蔵王坊平地内
落差:28m
形態:直瀑
内容:蔵王坊平高原の蔵王ライザワールドの北に位置しますが、アプローチの登山道(沢へと下るルート)が荒れているので、事前に確認してからの入山が必要。
日本一の滝王国・山形 観賞したい20瀑を紹介! | |
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