旧正野谷桟橋

旧正野谷桟橋

愛媛県西宇和郡伊方町、豊予海峡へと伸びる佐田岬半島の先端部北側にある軍用桟橋の遺構が、旧正野谷桟橋(きゅうしょうのだにさんばし)。長さ50m、幅5mのコンクリートと一部鉄製の桟橋。陸軍豊予要塞・佐田岬第二砲台の資材陸揚げのために構築されたもので、国の登録有形文化財に指定。

豊予要塞・佐田岬第二砲台の構築に使われた軍用桟橋

旧正野谷桟橋

昭和2年12月、豊予海峡の防備のため陸軍豊予要塞(りくぐんほうよようさい)・佐田岬第二砲台には七年式三十糎榴弾砲4門が設置されています(昭和19年に廃止となり、鹿児島県志布志に移設)。
そのために昭和2年に築かれたのが正野谷桟橋です(豊予海峡は、大正10年〜昭和5年に第一期工事を実施)。

地元では単に、「軍艦波止」、「軍用桟橋」と呼ばれています。
長さは陸地部分を含めると73mあり、海上に24本の柱を打ち込んで、50mのコンクリート桟橋を支えるというしっかりとした造りです。
昭和2年に佐田岬第二砲台に設置された短榴弾砲は自重が59tもあり、頑丈な桟橋が必要だったことがよくわかります。
桟橋部分に切れ間があり、枠が空いているのは波圧防止装置で、荒波を緩和させる役目を果たしています。

当時、佐田岬半島は陸の孤島で、陸上からの物資運搬は困難で、港が構築されたのです。
佐田岬半島の北側は、冬の季節風を受けるため、漁港などはありませんが、敵軍からの攻撃を避けるためなのかあえて北側に軍用桟橋を築いています(特殊潜航艇の訓練が行なわれた三机湾も半島北側です)。

佐田岬灯台へ向かう愛媛県道256号(佐田岬三崎線)途中、藤ノ実バス停前に入口があり、ここからから草木の生い茂ったなかのコンクリート舗装された歩道を約500m下ると、旧正野谷桟橋。
愛媛県道256号(佐田岬三崎線)を走り、「←佐田岬灯台(県道256号)・三崎港→」というY字路を佐田岬灯台の県道256号をとった先が正野谷集落の藤ノ実バス停。
県道沿いに駐車場はないので、Y字路を右にとり、町道を三崎港方面に走った路側に駐車するのが賢明です。

旧正野谷桟橋
旧正野谷桟橋
名称 旧正野谷桟橋/きゅうしょうのだにさんばし
所在地 愛媛県西宇和郡伊方町正野地先
関連HP 伊方町公式ホームページ
ドライブで 松山自動車道(大洲道路)大洲北只ICから約62km
駐車場 3台/無料
問い合わせ 伊方町三崎支所 TEL:0894-54-1111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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