南極観測船ふじ

「ふじ」は、昭和40年の進水から18年間、南極の極地観測に使用されていた全長100mの観測船(砕氷船)。厚さ80cmまでの氷を連続で砕氷することが可能でした。昭和60年に現役を引退し、名古屋港のガーデン埠頭に永久係留され一般公開されています。船内は、現役で活躍していた当時の姿に再現され、南極観測の様子などを紹介。

船内の設備は当時のまま!

「南極の博物館」として南極の自然、歴史、昭和基地の暮らしなどを写真パネルやビデオで解説する展示室も併設。

南極観測船「ふじ」は、海上自衛隊の砕氷艦(5250t/母港は横須賀)。
昭和31年に始まった南極観測隊を運んだ船は初代の「宗谷」が1次隊(昭和31年)から6次隊(昭和36年)まで輸送。

昭和37年から3年間休止し、7次隊(昭和40年)から「ふじ」に引き継がれ、昭和55年に「しらせ」(1万1600t)が進水するまで主力の砕氷船として活躍しました。

名古屋港に係留された「ふじ」船内の設備は当時のままで、甲板(かんぱん=デッキ)部分を歩いたり、調理室や隊員寝室など船内を見学することが可能です。

隣接して南極大陸をかたどった「ふじの広場」があり、南極犬タ口、ジロの銅像や「ふじ」が実際に使用していたプロペラや主軸、実際に活躍した雪上車などが展示されています。

映画『南極物語』(昭和58年/高倉健主演)のキャッチコピーは、「どうして見捨てたのですか なぜ犬たちを連れて帰ってくれなかったのですか」ですが、南極に置き去りにされ、奇跡的に生き残った兄弟犬が南極犬タロ、ジロ。

昭和33年、第1次南極観測越冬隊のそり犬として活躍した樺太犬15頭のうち、第2次隊の越冬中止を経て、昭和34年、第3次越冬隊到着時までの1年あまりを、極寒の地、南極で生き抜いたタロ、ジロの2頭は、今も残る南極観測最大のエピソードとなっているのです。

初代「宗谷」は旧ソ連の耐氷型貨物船「ボロチャエベツ」として昭和13年に進水した船を昭和14年に海軍が測量艦として改造したもの。
戦後、灯台補給船として使われていましたが南極観測の開始にともない急遽、観測船に改造されたもの。
東京・お台場の「船の科学館」に係船されているのであわせて見学すると「南極観測50年」の歴史がよくわかるでしょう。

南極犬タロ・ジロの像がある「ふじの広場」

 

南極観測船ふじ
名称 南極観測船ふじ/なんきょくかんそくせんふじ
所在地 愛知県名古屋市港区港町1-9
関連HP 名古屋港管理組合公式ホームページ
電車・バスで 地下鉄名城線名古屋港駅から徒歩3分
ドライブで 名四国道(国道23号)築地口ICから約1km
駐車場 ガーデンふ頭駐車場(700台/有料)
問い合わせ 名古屋みなと振興財団ガーデン管理課 TEL:052-652-1111/FAX:052-652-8646
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

名古屋港ガーデンふ頭

外洋航路の豪華なクルーズ船が着岸する岸壁や、名古屋港ポートビル、名古屋港水族館、南極観測船ふじの係留されるバース、遊園地の「シートレインランド」などのある名古屋港の観光の中心地。名古屋港ポートビルと名古屋港水族館はポートブリッジで結ばれてい

名古屋港ガーデンふ頭・ふじの広場(タロ・ジロの像)

名古屋港ガーデンふ頭・ふじの広場(タロ・ジロの像)

愛知県名古屋市港区、クルーズ船も接岸する名古屋港ガーデンふ頭。「南極観測船ふじ」が保存、係留される岸壁に整備されたのが、ふじの広場。ふじが実際に使用していたプロペラや主軸、中型雪上車(SM50S)が展示されるほか、タロ・ジロの像があるので、

南極観測船「宗谷」

南極観測船「宗谷」

東京都品川区、東京臨海副都心(お台場)にある船の科学館(本館は展示を休止)に附属する展示施設が、南極観測船「宗谷」。昭和31年11月8日から日本初の「南極観測船」として6次の南極観測を支え、第一次南極観測隊ではタロとジロの物語を生んだのがこ

 

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