鳥居強右衛門磔死之碑

鳥居強右衛門磔死之碑

愛知県新城市、長篠城(ながしのじょう)を眼前にする有海原の篠場野に立つ碑が鳥居強右衛門磔死之碑(とりいすねえもんたくしのひ)。長篠の戦いの際、徳川家康(岡崎城)への救援要請という重要な使命を負って豊川を泳ぎ下って長篠城の包囲網突破に成功した鳥居強右衛門(とりいすねえもん)が磔(はりつけ)になった地です。

大河ドラマにも登場の鳥居強右衛門、磔の地

天正3年5月14日(1575年6月22日)、野牛門の不浄口から長篠城を首尾よく脱出した鳥居強右衛門は、武田軍の鳴子網を潜ってかわし、豊川を4kmほど下って広瀬で上陸。
鴈峰山で狼煙(のろし)を上げ、長篠城へ脱出成功を知らせると、翌5月15日、岡崎城に入城。
主君・家康、そして援軍の織田信長に面会(織田信長は5月14日、熱田神宮で戦勝祈願、5月15日岡崎城到着)、すでに岡崎城に入城する織田軍を知り、すぐに長篠へと戻ります。
5月16日、狼煙を用いて援軍を知らせるも、詳細を伝えようと長篠城内に戻る際、寒狭川対岸の有海村(あるみむら)で武田軍に捕縛されてしまいます。

武田勝頼は援軍が来ないことを城に向かって告げれよと命じますが、鳥居強右衛門はこれを拒否し、織田・徳川の援軍が来ることを城に向かって叫びます。
その武勇に武田の諸将からは助命嘆願もあったと伝えられますが、武田勝頼は磔を命じます。

三河武士の武勇の証(あかし)と今に語り継がれている物語の舞台がこの地。
「我が君の 命に替る玉の緒を
    などいとひけん 武士(もののふ)の道」(辞世の句)

大正元年に、実際の磔の場所に碑は立てられていますが、昭和44年の土地改良事業で現在地(牛渕橋近くの畑の脇)に移動しています。
鳥居強右衛門の墓は新城市有海の新昌寺にあります。

鳥居強右衛門磔死之碑
名称 鳥居強右衛門磔死之碑/とりいすねえもんたくしのひ
所在地 愛知県新城市有海岩城
関連HP 新城市公式ホームページ
電車・バスで JR鳥居駅から徒歩10分
ドライブで 新東名高速道路新城ICから約3.5km
駐車場 長篠城址駐車場(50台/無料)を利用
問い合わせ 長篠城址史跡保存館 TEL:0536-32-0162
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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