銚子の滝

銚子の滝

秋田県山本郡藤里町、白神山地世界遺産センター藤里館近くに湧く湯の沢温泉。その温泉街を流れ、藤琴川に注ぐ湯ノ沢にかかる落差18mの滝が銚子の滝。あまり知られていない滝ですが、洞窟状にえぐられた岩盤を落下する滝は迫力も満点。滝の裏側に回ることのできる「裏見の滝」のひとつ。

江戸時代の紀行家・菅江真澄も訪ねた秘瀑

滝つぼの形が徳利(とっくり)に似て、徳利に酒を注いでいるように見えることが名の由来です。
形状的には裏見の滝ですが、滑落、落石の危険があるので裏側に回るのは避けた方が賢明。

滝壺近くには、ここを訪れた江戸時代の紀行家・菅江真澄(すがえますみ)の碑も立っています。
享和2年3月12日(1802年4月14日)、菅江真澄は銚子の滝を訪れ、「藤かつら くり返しみる いわがねに かかるも高き 瀧のしらいと」と歌を残しています。

また、菅江真澄は、左手に薬師如来の堂、右手に不動明王の堂の建つこと、滝の右手にある岩の裂け目から温泉が噴き出していることにも目を向け、「湯の澤とて湯の泉あれど、ひやゝかなれば、夏はかり人の來て浴してけるやかたの、軒をつらねて、人なくあばれたり」(温泉ではあるが、湯はぬるく、夏に浴客がくる程度で、今は人影がない )と日記『辭夏岐野莽望圖』(しげきやまもと)に記しています(当時は、湯温が低いので夏の間だけ利用していました)。
日記の絵には東屋が描かれているので、すでに滝を観賞、あるいは滝修行をする人がいたことがわかります。

滝近くにある「湯元 和みの湯」は日帰り入浴も可能なので、ここに車を入れ、日帰り入浴がてら散策するプランもおすすめです。
また、白神山地世界遺産センター藤里館からも徒歩10分の距離。

銚子の滝
名称 銚子の滝/ちょうしのたき
所在地 秋田県山本郡藤里町藤琴
関連HP 藤里町公式ホームページ
電車・バスで JR二ツ井駅から秋北バス真名子行き・熊の岱行きで30分、湯の沢温泉下車、徒歩3分
ドライブで 秋田自動車道二ツ井白神ICから約16km
駐車場 3台/無料
問い合わせ 藤里町商工観光課 TEL:0185-79-2115
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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